36×24

幼いころ父親に連れて行ってもらったデパートで開かれていた小さな写真展。そこで田中　紡(つむぐ)が目にしたのは、桜の木の下で咲き誇る桜を見上げ涙を流す女性の写真だった。
まるでそこにその女性がいるかのようにリアルな写真に心を奪われた紡は、自分もいつかこんな写真を撮りたい。そう決心するのだった。
時は経ち念願叶いカメラを購入した紡は、桜を撮りに電車に揺られ遠出する。シャッターを切る彼のカメラに偶然写りこんだのは――――。