第23話 お狐様商品の搬入を手伝います! (4)
まあ、昨晩は、そういった事情もあり。朝僕は目覚め、女性の声に魅かれてキッチンへと移動──!
するとそこには、僕のお狐さまではなく。人の容姿へと変化をした小夜がいたから。
最初は僕も小夜を凝視して、自分の妻だとは思わなかったので、『貴女は誰ですか?』と、訊ねた。
そして僕の妻の小夜だと教えてもらって、驚愕をしたわけなのだよ。
でッ、その後は、人の姿になっている小夜に僕は訊ねた。
「何で小夜は昨晩、人の姿ではなく、妖狐の姿だったの?」
と、訊ねた。
「う~ん、実は、妾の父様(ととさま)は、母様(かかさま)が妖狐だと分かると。妾と母様(かかさま)を捨て、家を出たの。妖怪とはこれ以上所帯を持ち家族を続ける事はできなからと告げてね……」
と、僕に教えてくれた。
でッ、その後も、小夜のお母さんは……。
まあ、小夜の容姿を傍から見ればわかる通りで。如何にも妖艶妖狐といった容姿の美しい姿だから。言い寄ってくる男性は星の数……。
だから再婚を何度もしたらしいのだが、いつも妖狐だとわかると直ぐに捨てられて、最後は人の病気がうつり。
これといった治療も受けられないまま、幼い小夜を残して他界をしたらしい。
だから小夜自身も他界をしたお母さんみたいに、人間の異性に騙され、いいように性玩具(おもちゃ)にされるのは嫌だからと。
小夜自身の本当の姿で愛してくれる人間の異性を探していたところに。神……ではないか? 小夜の御先祖さまであらせられる『おさん狐さま』の赤い糸の巡り合わせで、僕と小夜は結ばれたわけなのだ。
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