第13話 帰宅後…… (4)

 傍から見ている皆は、妾の意見をどう感じるのだろう?


 それにな、この雄の悪戯行為は、これだけでは収まらない。


 妾の初めてを獲って奪おうと、色々な策……。悪戯行為を続けては、妾の欲情心を煽り立てる。


 だって妾の腹部や股の付け根辺りに手を何度も入れ触れてくるのだよ。


 だから妾がいくら生娘であろうとも、段々と自身の身体が熱くなり、火照りが収まらなくなる。


 実際今だってこの雄は、妾の身体に背もたれして甘えながら食事をしているのだから。


 妾のことを気に入ってくれたと思っても良いのかも知れぬ?


 と、いうことで。妾は自身の尻尾を『フリ~、フリ~』と雄に、優艶に当ててみた。


「ん? あれ? 彼女、起きたかな?」


 妾のモフモフとした妖狐の尻尾を雄に優艶に当ててみたら。


 雄の奴が。雄らしい反応──。


 後ろを振り返りながら、妾の顔へと自身の顔を寄せてきた。


 だから妾は少々、『ドキッ!』としたのだ。


 でッ、赤面しながら雄の容姿を見て確認をしたら中々の好青年……。可愛い顔をしていると思った。


 と、いうことで、妾自身もこの雄のことが気に入ったから妻になることに決めた。


 だから妾の婿殿の顔をペロリと舐めて愛嬌を振り撒いた。


 でッ、その後は、「クゥ~ン、クゥ~ン」と、鼻で甘鳴きをしながら、婿殿の顔をペロペロと舐めて愛嬌を振り撒いた妾──。


 そして最後は、自身のお腹を見せて、婿殿に妾は無抵抗だから早くきてくれと誘った。内心では『優しくしてね。あなた~』と、思いながら。


 すると妾の婿殿は、「そうか~。お腹が空いたのか~。ラーメンとピラフしかないけれど食べる?」と、訊ねてきたから。


 妾は『えっ?』と、思わず。人の声で驚嘆を漏らしそうになったけれど我慢をした。


 だって人間に妖狐の女性だと分かると、死んだ母様みたいに酷い目に遭わされるから。取り敢えず今は、只の狐の振りをする事にしたのだが。



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