第12話 帰宅後…… (3)
だから妾は驚愕の余り何 度も目を開け、声を漏らしそうになったのだが。自身の奥歯を噛みしめて耐え忍んだ。
でッ、やっと二階──。
この雄の住んで居るコーポだと思うのだが?
妾の許可も無く、強引に部屋の奥に……。
と、いっても。一部屋しかないみたいだ。この雄の住んで居るコーポは……。
多分? 一LDKと、いう奴だと思われるのだが?
妾も人の住む屋敷に住むことなどは、百年以上も昔……。
他界された母様と住んでいた以来だからよくはわからない?
それに薄眼で妾が部屋の中を見渡して見ても、あの頃よりも間取りが違うので良くはわからないのと。少し話しが飛んでしまったようだから戻すことにする。
まあ、とにかく、この雄なのだが、妾を部屋で横にするなり。尻尾を持ち上げて、妾の大事な部分を他念に観察をしては、「うん、うん」と、声を漏らしながら頷くのだぞ。妾の何に関心をしたのかは知らぬが?
思わず妾は赤面──!
この雄を噛み殺してやろうかと思ったが。一応は命の恩人……。
大型貨物トラックに跳ね飛ばされて意識を失っていた妾を、あの場に放置せずに、身体を温めてくれたことには感謝をしているから命だけは許してやったのだが。未だ妾はこの雄の嫁になってやるとも言ってはいないし。この雄自体も妾を嫁にしたいとも申してきてもいないのに。
ここまで生娘の妾に悪戯行為をするのは、どうかと思うのだが?
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