第15話 帰宅後…… (6)

 というか。妾は我が家の婿殿に、更に惚れてしまったから。


「クゥ~ン、クゥ~ン」と、鼻鳴きを漏らしながら頬ずりして甘えに甘えたのだよ。


 でッ、次いでにまた妾の婿殿の顔をペロペロと舐め甘えた。


 すると我が家の婿殿は妾を『ギュ~』と、抱き締めながら。


「ちょ、ちょっと、彼女~。嬉しいのはわかるけれど~。そんなに僕の顔ばかりを舐めるとくすぐったいよ。だからやめて~、彼女~」


 と笑いながら告げてきたのだが。余りにも我が家の婿殿が、妾の身体を優しく、『ギュ~、ギュ~』と、抱き締め触れてくれるから。


 妾の火照っている身体と欲情心は、更に収まりがつかなくなる。


 ということは? 更に妾は婿殿に対して、度を越した甘えをおこなうことになるから。我が家の婿殿も若い盛りの発情期のオスだから、自然のなりゆきで、妾達二人は、その日を境に、一緒に床を共にする夫婦……。


 それも、人と物の怪の夫婦になったから。今後は、妾は人として生きることにするからね。



 ◇◇◇◇◇

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る