第26話 お狐様商品の搬入を手伝います! (7)

「あ~い。大丈夫なの。婿殿~。妾も早く、我が家の商いの方を覚えて頑張るからね~」と。


 小夜は僕に女神の笑みを~。


 と、いうよりも? 我が家の奥さまはお狐さまだから。妖艶な妖狐の笑みをくれたのだよ。夫の僕にね~。


 だから僕は、お狐さまの力を得て、やる気と体力、力が、自身の身体の中から溢れ出す程湧いてくるのだよ。


 だから我が家の奥さまに、「小夜~。僕の方へとおいで~」と、優しく声をかけた。


「ん? どうしたの~。婿殿~?」


 小夜は僕の呼びかけに『ん?』と、いった表情……。不思議そうな顔と声を漏らしながら、台車を押すのをやめて、僕の方へと寄ってきたのだ。


 そんな様子の小夜が僕の方へと近寄ると。僕は片手で小夜を自身の方へと寄せる。


 すると小夜は、自然と僕へとしな垂れかかってきたのだ。


「婿殿~、どうしたの~?」


 と、夫の僕に問いかけながら。


 う~ん、でも僕は、小夜の問いかけに対して笑みを浮かべ微笑むだけでね。


 自身の身体を低くして、小夜のお尻に手を回して──。そのまま僕は片手で小夜を、お姫さま抱っこをしたのだ。


 大事な奥さまの身体を労る為に。


「む、婿殿~。こんなことをしたら、婿殿の身体が大変なことになるから~。妾を早くおろして婿殿~」と。


 小夜をお姫さま抱っこしながら台車を押す僕の身体のことを。小夜は慌てふためきながら気遣ってくれる。


 う~ん、でもさ、先程僕が自身の心の中で思ったことではないが。


 夫のである僕の方が小夜の身体を見ていて『本当に大丈夫なの?』と、心配になるから。


「今回だけは、このままで移動をさせてよ。小夜~。どうせ今日はお店の方も休日で、ほとんど店内には人がいないから。今日だけは僕に甘えてきてよ。小夜~」と。


 僕の大事な奥さまに、甘え声色で告げると。


 僕はそのまま、小夜の濡れた可愛い唇へと唇を重ね堪能を始める。


 それも台車を押しながら器用良く。


 そんな仲の良い二人の状態が、休日で誰もいない店内の催事コーナー迄続くのだった。



 ◇◇◇◇◇

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕とお狐さまとの物の怪らしい日和…… かず斉入道 @kyukon

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ