第20話 お狐様商品の搬入を手伝います! (1)

「う~ん、えぇ~と、後ろ? 後ろと……?」


 僕はね、自身の仕事のパートナーでもあるハイエースをね。只今バックさせている最中なのだ。


 僕の今後の余生を共に暮らしていく、伴侶の小夜を助手席に乗せて。とにかくゆるりと慎重に、僕は後方を確認しながらバックを続ける。


 するとさ、店舗の守衛のお兄さんが、僕がゆるりとバックをさせているハイエースへと近寄り横に立ち、腕を振りながらバックへの指示を出してくれた。


 だから僕は『大変にありがたい』と思いながら、ハイエースのウインドウを開けて、守衛のお兄さんへと笑みを浮かべながら。


「ありがとうございます」と、お礼を告げた。


 すると守衛のお兄さんは、僕の笑みに負けないような微笑みを浮かべながら。


「仕事だから気にしなくていいよ」


 と、告げてくれた。


 だから僕は、「そんなことはないですよ。本当に助かります。ありがとうございました」と、彼に再びお礼を告げたのだ。



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