第21話 お狐様商品の搬入を手伝います! (2)

 するとさ、守衛のお兄さんが「あれ?」と、声を漏らしたのだよ。


 だから僕も何だろう? と、思った。


「ん? もしかして? 豆屋さん彼女?」と。


 守衛のお兄さんが僕に、小夜のことを尋ねてきたから。


「いいえ、妻なんですよ」と、僕は守衛のお兄さんに笑みを浮かべながら答えた。


「へぇ~。そうなんだ? それはおめでとう豆屋さんと奥さん」


 小夜が僕の彼女ではなく妻なのだと、守衛のお兄さんに告げると。彼は僕と小夜の二人に結婚おめでとうと祝福の言葉をくれたのだよ。


 だから僕は嬉しくて、再度守衛のお兄さんに、「ありがとうございます」と、言葉を返した。


 でッ、僕の横……、助手席に座っていた小夜はというと?


 守衛のお兄さんからの祝福の言葉を聞いて大変に嬉しそう。


 自身の頬を薄い桜色に染めながら。


「ありがとうございます」と、僕と同じ言葉を守衛のお兄さんへと返す。


 そして返し終えると僕は、ハイエースの再度ブレーキを引き。


「小夜ちょっと待っていてね。今から台車を借りてくるから」と。


 助手席に座る小夜へと優しく声をかけて、運転席側のドアを開けて飛び降り。搬入口の奥へと足早に移動──!


 少しでも早くお店の台車をお借りして、小夜の許へと戻らないといけないと思い。


 僕は慌てふためきながら台車をお借りしにいった。


〈ギィ~、ガシャ~ン〉


 僕は御店のコンテナ台車をお借りすると、『ゴロゴロ』と台車の車輪から音を出しながら。愛する小夜の許へと慌ただしく戻ったのだよ。

 ん? 何で、そんなに僕が慌てているのかだって?



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