第8話 事故? (4)

  意外や意外……。御犬さまは、自身の毛並みに汚れすらないぐらい真っ白──。


 相変わらず神々しく輝いているような気がするのだよ。


 まあ、そんな神々しい御犬さまに僕は、自身の腕をソォ~ッと伸ばし触れながら、覗き込んでみたのだが。


 御犬さまの状態が良くわからない。


 でも、御犬さまの毛並みは大変に柔らかくて温かいから、僕の氷のように冷たくなっている手をジワリジワリと温めてくれるから大変に気持ちいい。


 だから僕はついついといけないことだとは思うのだが。御犬さまのモフモフとした毛並みの肌触りを堪能したのだ。


 男である僕の手のひらで御犬さまの腹部の辺りの毛に触れ──。


 僕の氷のように冷たい手を温めながら再度御犬さまを確認したのだ。

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