第9話 事故? (5)

「ん? あれ?」


 僕は御犬さまの顔を良く見て確認をして少々驚いて思わず声を出してしまった。


 だって良く御犬さまの顔を確認すると、犬ではなくお狐さまだったのだ。


 でッ、その後僕の脳裏に走った言葉は、こんな大きくて真っ白い狐が、この中国山地にいるのだろうか? と、思ったのだ。


 でッ、更に、僕の脳裏に走る言葉は、先程農協の購買部や金融部のお姉さま達が言っていた。この辺りは、つい最近物の怪さまが出るから気をつけるようにと教えてくれた言葉だった。


 と、なると? 僕の目の前にいるお狐さまは妖狐なのかなぁ~? と、僕は思うと直ぐに、お狐さまの腹部の下の後ろ脚──。付け根の辺りに、手のひらを強引に入れ込み脈があるのか? ないのか? 確認をとった。


 すると僕の指先に『ドクドク』と、血液が流れる鼓動が聞こえてきた。


 だからホッとする僕……。


 そしてこの子が生きているとわかると僕は、慌てふためきながら自身の車へと運んだのだった。


 でッ、その後は、目にもとまらぬ速さで僕は自身の出店していたお店を片づけ、急ぎ足で自宅の途についたのだよ。


 勿論彼女を自身の車に乗せたままね。



 ◇◇◇◇◇

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