第6話 事故? (2)

 と、なると? トラックに轢かれた犬らしき生き物の遺体はどうしたのだろうか?

 僕はふとそんなことを思案してしまったのだが。余り長くは思案を続けなかった。

 だってトラックの運転手が遺体を道の端へと移動をしている様子は車のヘッドライトに移し出されることはなかったので。


 多分、あの場に放置をされているのだろうと思う?


 あああ~。僕はそう思うと、あの場に転がっているであろう、犬の死体が可愛そうになる。


 だって、これから夜明けまで、この県道に何台もの、大小様々な自動車が行き交うと思うのだ。


 そうなると道路の真ん中に、轢かれたままで放置されている犬の死体は、この道を通る後続の車達によって、更に轢かれ、自身の骨が砕かれペタンコになっていくと思われるのだよ。これが仮に明るい時間帯であるならば、車を運転して走らす者達も気が付いて、避けながら走行してくれると思う。


 だけど今のように陽が落ちて、辺りが漆黒の暗闇に変わっている時間帯だと、運転している人達は皆、発見が遅れるから避ける動作が遅くなるので、県道を通る車に何度も踏み潰されていくと僕は思うから。やはりあのまま犬の死体を放置するということは、僕自身も耐え忍ぶことができないから。


 可哀想な犬の死体をせめて、道路の端へと移動をしてやろうと思うのだよ。














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