ダンゴムシの生物的特徴を軸としたダンゴムシ物語でありながら、知的な雄ダンゴムシと同じく知的な雌ダンゴムシ2匹が高校生活を通して、いわゆる"青春"を通り越えて異常な"愛"を見つけるというストーリー。物語の設定がユニークで面白いうえに、豊かな語彙と繊細な表現、大胆な展開によって圧倒的没入感が得られる小説でした。思わず全話読みました。たいへん面白かったです。
いつメス化するのかと期待しながら読みましたが、それを上回る展開に最後まで一気に読んでしまった。紆余曲折ありつつ、そこまでやるのか!とハラハラしましたが、読後感の良い着地点でした。時折、あぁこれはダンゴムシの話なんだと思い起こせる小ネタも良かったです。ゲーム化する際はメス化ルートもお願いします。
とても面白かったです。男性の一人称、男性視点の小説でありながら、後半からは同じ女性同士としてヤコに感情移入してしまい、ヤコが大声で泣くシーンでは、もらい泣きです。主人公がヤコを好きで居続けるための方法を閃いたシーンでは、谷崎潤一郎の「春琴抄」が頭をよぎりました(もちろん春琴抄とはストーリーが全然違います)。谷崎よりもライトでグロさがなく、読みやすかったです。また、虫本清張(松本清張)や花火(又吉直樹の火花)などの小ネタも良かったです。
サクサク読めて面白かった。人生でまったく使い所はないだろうが、ダンゴムシの性に詳しくなれてよかった。少し細かいことを言うと、「ダンゴムシ社会の存在を知るの自分」の視点で読めばいいのか、「性の設定だけはダンゴムシだけどそれ以外は完全に人間の見た目」の登場人物になりきって読めばいいのか、少し悩んだ部分があった。(どんな悩みだこれは笑)この世界に人間社会もあるというのは描かれていたが、もう少しダンゴムシ社会との関連性が描かれると読者がどの視点で読むかを決めれて感情移入しやすいのかなと思った。ゲーム化期待してます!
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