概要
それでも僕は、君に生きてほしいと思っていたのに。
卒業を間近に控えた大学生、橙崎遥斗は入院中の恋人を見舞う日々を繰り返す。彼には「右眼に映した全ての生命の『今際の際』が見える」力があった。そんな遥斗が唯一見通せない少女、白野憂月。彼女は生きながらに死んでいる、故に死がない生者だった。死を見る青年と死を夢見る少女は、捻じ繰れた死生観を背負いながらも「幸い」を求め続ける。その先に待つ悲しき因果を知らずに――
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!少し寂しくて哀しくて ラスト4話で涙が…… 映像化はよ!!
≪「今日こそ教えてくれますか。私の今際の際を」≫
とても、とても静かな『三つ年上の彼女に敬語が抜けない』遥斗と『病に伏せる明るい』千世の物語。
他人の『最期』が視えてしまうが故に複雑な感情に苛まれる遥斗。
≪どんなに今を楽しんでいたって、いつかは皆これになる。一時の高揚に身を任せるのは、逃れようのない結末に目を背けるためだ。酔えば苛酷な未来を忘れられるからだ≫
ひとつひとつのエピソードが重くって哀しくって、でも読む手を止められませんでした。綺麗な文体で読みやすくて引き込まれて、心が締め付けられてジンジンするような…もう一気読みでした。
≪あっ、この人変な人だ。≫
で、ちょっと笑って…続きを読む