aRiSA

　数学者井上昭一はスーパーコンピューターを持ってしても現実的な時間内に到底計算しきることのできない、巨体な数の素因数分解についての新しい理論を発見したと噂される。素因数分解の困難性を利用したRSA暗号は、今日ではインターネットを介して個人情報を送信する際に必要不可欠な技術である。もし井上の理論が正しければ、RSA暗号はたちまち安全でなくなり、全世界の情報セキュリティに多大な打撃を与えてしまうことだろう。様々な憶測が飛び交う中、井上は亡くなってしまう。果たして井上は本当に新理論を発見することができたのだろうか。数学科の大学院生と二人の女子大学生が井上の研究の謎に迫る物語。

　サイバーセキュリティ小説コンテスト中間選考通過作品です。

　タイトルに * マークが付いているのは数学的要素が強く難…続きを読む