概要
僕は彼女のために、何ができたのだろうか。
絶望のなか過去を振り返るうちに見えてきたものは――?
※ジャンルをホラーから恋愛に変更しました。
◇三章以降に軽めの性描写有り
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!暗めだけど、たけどね……好きって感じる!
この作品は読ませる作品です!
ファンタジーですが、現実の歴史上でも起きていただろうたくさんの悲劇やその状況下での人々の病んだ心境や絶望を見ているようでした。
架空のドラゴン病というものがストーリー上重要な役割を果たしています。
戦時下という背景もあり、とてもリアルに人間の醜さや、儚い希望や逃げからくる楽観などが緻密に描かれていました。
主人公のひたむきで、けれどどこか臆病で歪な思いとその結末に、ヒロインのけなげさに、涙すること間違いなしです。
次は次はどうなる?と貪るように読んでました。(笑)
切ないラストの後には、きっとキラキラとした太陽と風に揺れるひまわり畑が心に浮かぶのではないでしょう…続きを読む - ★★★ Excellent!!!美しい『思い出』ほど、心に刺さるのだ
連載中、なんどこの物語を読み、心が締め付けられたか。
何度、この物語に泣かされたか。
何度、この世界の神様にふたりの幸せを願ったか。
物語の舞台は、異世界ではあるものの、どことなく、過去の日本に似た世界です。
病気に対する偏見。戦争が忍び寄る雰囲気が、常に読み手側を不安にさせます。
家族を喪い、引き取られた叔父とも、病によって引き裂かれる主人公ルギウス。
薄幸のこの少年の前に現れたのは、まるで太陽のような少女ソレイユ。
身分違いのこの二人は、だが、互いに惹かれあい、互いの存在に意味を見いだしていく。
だがここで。
ルギウスの側に居る『何か』は、にたり、と嗤うのです。
ケタケタケタケタ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!たとえ心がえぐられても、「読んで良かった」と思える物語がここにある
貧しい家の生まれであった主人公「僕」ことルギウスは、家族を失い、叔父に引き取られました。
ある日、ルギウスがひとりで遊んでいると、太陽のような女の子が声を掛けてきました。これが、お金持ちの家のソレイユとの出逢いでした……。
もしも時代が違ったら、このふたりは成長して、甘く切ない身分違いの恋物語を紡いだことでしょう。
けれど、ここには戦争がありました。不治の病がありました。
誰もが心の中に持っている「邪悪」が、頭をもたげる要因がそこら中にありました。
「邪悪」のはびこる物語は、読んでいて愉快にはなれません。
けれど、決して目を背けてはいけない、忘れてはいけない。これは「読むべ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!本格派。美しい文章を味わいたい人に、読んでもらいたい。
ドブコン参加作品は、完結してからレビューと決めていたのですが。
現時点での最新話「13-6 離脱」に感動し、今書こう! と思い立ちました。
完結まであともう少しだと思いますが、結末がどうなっても、良い作品であることに間違いはないでしょう。
あらすじやタグからは、予想できない良さがある作品です。
第一に、とても読みやすい。
第二に、フィクションですが、主人公の「僕」の目を通して語られる世界、心情は限りなくリアル。はっとするような描写が散りばめられています。
そして特筆すべきは、性描写。
この描写がすごいと思いました。
直接的ではないのですが、ここまで美しく切なく書けるのかと、作者様の意外…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ヨーロッパの単館公開映画のような物語!
前半は、少年の生い立ちから少女との出会いまでを、事細かに丁寧な言葉で描写されます。
少年が背負うことになる暗い過去。
眩しいばかりに光り輝く少女との出会いは、物語の根幹を淡い幻想と期待感を持たせる、夢のような終盤を連想させ、幼い二人の恋物語が夢のように描かれます。
しかし、時代の流れがそれを許してくれません。
日本の昭和史をヨーロッパのある国に置き換えたような物語は、ファンタジーの世界を超えて、あなたの胸にリアルな幻影となって迫るはず。
聞こえくる戦争の足音に、追い立てられるように郷里を離れる少年と少女。
光りあふれる美しい景色のなかで、手を取り合う二人から目を離せなくなります。
残酷にも…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まるで映画を見ているかのような流麗で切ない恋の物語
暗鬱な悲劇の連続から、一人の少女との出会いで幕を開けるこの作品。目を覆いたくなるような悲惨な境遇を過ごしてきた少年と、そんな少年を照らす太陽のような少女が様々な出来事を経て少しずつ成長していき、自分達の生き方を見つけるかと思いきや……思わぬ展開に言葉を失います。
ジャンルがホラーということもあって、淡々とした描写には背筋が寒くなります。どちらかと言うと、海外の小説に近い印象がありますね。とにかく雰囲気作りが上手い。自分で文章を書く時、強調したい部分は変に盛り上げたりしたくなっちゃってくどい感じになってしまうんですけど、この作品ではとても自然に、それでいてしっかり印象に残るように書かれている…続きを読む