竜か、人か。時代に翻弄されながら邪悪の所在を問う、少年少女の恋物語。

 降りかかる悲劇により孤独になってしまう、内気で繊細な主人公。彼の前に現れたのは、太陽のような少女、ソレイユ。暗い時代や舞台設定の中で語られる二人の様子は、曇天の合間に差す光のように、儚くも美しいのです。然し、徐々に二人を追い詰めるように迫り来る時代の流れと運命の前に、二人はどのような道を歩いて行くのか――。

 おどろおどろしい描写や、人の愚かさ弱さに触れる内容でありながら、えぐみを感じない文章が心地よく、重苦しい世界観の中へ導いてくれます。面白いですよ。

 是非皆様も、ご一読!

その他のおすすめレビュー

木元宗さんの他のおすすめレビュー126