保育園に通う娘とおばあちゃんの話。 幼い頃って祖父母がやって来ると何だか嬉しくなりますね。作中の娘さんもご機嫌です。おばあちゃんはリクエストのカレーを作ってくれるそう。 作中は娘さんの父親目線で語られるのですが、子供の頃の苦い思い出が、思わぬ形で癒されたりします。どんな形なのかはラストシーンまで秘密。最後まで読むと、ほっこりした気持ちと、カレーが食べたい気分になる筈。タイトルの意味も分かって、成る程と膝を打つ事間違い無し。 日常の小さな幸福を切り取った短編です。是非!
読み終わった後に心が温まる素敵な作品でした!主人公である和哉は義母に娘の友里を預け仕事に向かいますが、妻と結婚するまでは赤の他人であった人な訳です。自宅に娘と二人っきりで過ごしてもらう事に、初めは慣れなくても仕方ないと言えるでしょう。そういった心情を抱く主人公はとても普通な人物なんだと思いました。だからこそ、この後の展開で「和哉」というキャラの人柄を汲み取りやすく、短い文章量ながらも非常に構成・描写が上手いなあと感じました。そして、タイトル回収を行うラストでは、きっとあなたの元にも”ことり”が笑顔を届ける事でしょう。
義理の母とこういう距離感で過ごす人は、今は多いかもしれません。ばあばがしてくれること全てが優しくて、ちょっぴり懐かしくて。受け継がれていくものや苦い思いなんかも滲んで。最後にはほっこり、ばあばと娘のひみちゅで終わる。平穏の一場面にあたたかくなる作品です。トゲトゲした気持ちの人におすすめしたい。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(127文字)
妻のピンチヒッターで駆けつけてくれた義母が、娘のためにカレーを作ってくれました。しかも、二種類。 そして、幼い娘さんにも二つ、いいことをあげたようです。ひとつめは、可愛らしいプレゼント。でも、ふたつめは、ひみちゅ、なんですって。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(104文字)
幼い女の子の友里ちゃんを育てている和哉。妻は出張中で、その代わり義母が応援に来ている。そんなある日、義母の振る舞いにより和哉は実の母に言われた言葉を思い出し……。特にドラマティックな出来事があるわけでもないのですが、これはドラマです。読む前にタイトルとキャッチをもう一度確認してから読まれるのをオススメします。
日常の中の、優しい気遣い。 ああ、主人公もこの子も、ほっこり優しい気遣いを受けて、今しあわせなんだなあ、と思えます。 素直な気持ちで読んで、心あたたまってください。 そうすれば、あなたも、さいわいなことりの姿が見られるかもしれないですよ。
子どものカレーと大人のカレー。ひりつくような記憶とやさしい今と。寒い季節におすすめの、あたたかい物語。二千字ちょっとの短編なのですぐに読めますよ。
私もヒロインが幼稚園児の物語を書いています。他愛のないものであっても、秘密を持つのも成長の証と考えます。
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