ミュゲ書房

作者 オレンジ11

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★★★ Excellent!!!

ひたすらに一途な思いは、諦めなければ、少しずつでも周りを変え、気づけば自分でも止められない輪の中に入って大きく回りだす。
回りだした輪の気持ちよさに、まるで自分のことのような快感を得ることができる。
そんな素敵なお話です。
登場人物も本当に実在してるんじゃないかと思ってしまいました。
ああ、読んでよかった。

★★★ Excellent!!!

小説を書いている人なら誰もが大きく共感するのではないだろうか。
新人作家・広川を潰してしまった章の抱える良心の呵責に、私は、希望を感じた。

世の中に、たとえ少ない割合であっても、こんな風に考えて、そして行動する人がいるならば、世の中という場所を信じようと強く思える。
もしかしたらそれは、作中同様世知辛い世の中では青臭い考えと笑われるのかもしれない。もちろんビジネスは大切だし、そのために切り捨てざるを得ないことは、まま、ある。だけど、本当にそうだろうか。そうであってよいのだろうか。
読み進めながら、姿を消した広川を探し続ける章の姿に、己のあり方を何度も問うた。

作品の魅力は熱き編集者の姿に留まらない。本や出版をめぐる様々な仕事が作者ならではの鮮やかさでいきいきと描き出される。それに紹介される本のどれも魅力的なこと。書店や図書館に走りたくなる。

作品と現実をゆるやかにつなげてくれるこれらの本は、この空の下に、沈黙しながら研鑽を積む広川や、その広川を探す章がいるのだと思わせてもくれる。
いるのだ、きっと。
幾人もの広川や、章が。
そういう世界を、私は生きたい。
そして、彼らのようにありたい。
自分の明日の歩みを変える物語だ。

★★★ Excellent!!!

何より作家志望の人が感情移入できる作品です。

出版業界のことをほとんど知らない私にとって、この作品を読むことでとても勉強になりました。

作家を目指すのであれば自分の作品を書籍化させるというのは大きな目標になりますが、出版社側の都合やレーベルの個性との擦り合わせをしているシーンを読むと「こんなにも大変なのか」と現実を突きつけられた思いです。

しかし魅力的なキャラクターの想いが重なり合って、出版にこぎつけたシーンは開放感を味わえました。個人的にはいぶし銀の山田さんがとても印象的でした。

また、自分自身が「なぜ小説を書くのか」を考え直すきっかけにもなりました。

自分に読ませる作品なのか
友達に楽しんでもらうために書くのか
書籍化するために書くのか

大切なことを考え直すことができました。ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

 出版業界の裏側がよくわかるお話です。
 作家の卵を潰してしまった編集者が、挫折を味わったところから始まるストーリー。
 大手出版社をやめたあと、祖父母の作り上げたミュゲ書房を継いで書店主になるのですが、この書店がまたすごくいい! こんなところで日がな一日過ごしたい! と思わせてくれる素敵な書店です。
 そこで広がる人間模様から、新たな編集者としての道がひらけてきます。

 不屈の精神でもってよい作品をさらに磨きあげていく作家と、作家の才能に惚れ込んでよい本を出したいという編集者が織りなすストーリーにぐいぐい惹きこまれ呑みこまれていきました。

 才能を持った人、信念を曲げない人が最後には報われる。とても素敵なお話をありがとうございました。


 レーベルのカラーに合わないから、と大賞受賞作なのに出版取り止めになった『リベンジ』。それでも本にしたい、そう惚れこんでくれる編集者が、そして読者がいてくれる。そんな作品を書きたいですね。

★★★ Excellent!!!

主人公は大手の丸山出版社に務める編集者。
ある一件で揉めて退職します。
それからは素敵な仲間に恵まれるものの一難去ってまた一難。
そんなに世の中甘くない、と思い知らされます。
しかし、頑張っていれば報われます。

また、敵役の憎々しげなこと。
読み進める内に感情移入しすぎてしまいました。

さらには出版業界の裏側を覗くことができ、さり気なく紹介される書籍の数々は粒ぞろい。
ラストも納得。
執筆活動されている方には特にオススメです。

★★★ Excellent!!!

カクヨムに小説やエッセイなどを投稿している方であれば出版業界に興味があるのではないでしょうか。
そして、作家を目指している方も多いはず。
そういう方たちであれば必読だと思います。
この作品のおもしろさは僕がわざわざ伝える必要はないでしょう。他のレビューを見てもらえば、おもしろさを伝えたいという熱量が凄いです。
皆さんもぜひ読んでください。

★★★ Excellent!!!

というか、途中で止めるなんて無理だ!と思いながら一気に読ませていただきました。いやほんと、今日が休みで良かったです。

内容などなど、他の方が述べられておりますし、もう私いま読了後の余韻やら何やらで語彙力とか色々吹っ飛んでるもんですから、また得意の勢いレビューで失礼します状態なんですけど。

ラブのない現代ドラマなものですから、Twitterとかフォロワーさんのレビューとかで気にはなっていたものの、どうしようかな、あんまりシリアスすぎるやつとか私読めるのかな、って躊躇してたんですよね。この作者さんのお話だから間違いなく面白いんだけど、いやー、でもラブ、ないしなー、って。

お前そんなにラブに飢えてた?!って思うんですけど。

でも、明日は休みだし、いつか読もうとは思ってたし、でも読むなら絶対いま(カクヨムコン)なんだよなぁ、とか思いつつ。

読んだらもうね、止まらないっていうね。
夜に読み始めたのでさすがに寝落ちしちゃいましたけど、残りはもう一気に読んじゃいましたからね。

ちくしょうちくしょういまに見ておれ丸山出版と後藤、って歯をぎりぎりしながら読んでたんですけど、後半「でしょでしょ、そうなるでしょ!ッヘーイ!ざまぁ!!!」って高らかに笑ってやりましたから、心の中で。指差してやりましたよ、心の中でね。

本当に才能を持った人が最後にちゃんと報われる話って、すごくいいなぁって思います。
これはもうほんと一気読みしちゃいます。お勧め!

★★★ Excellent!!!

大手出版社の編集者だった章は、挫折を味わった。
否、挫折を味わわせてしまった、と表現すべきか。
ある若い書き手に作品と時間と誇りを浪費させた。
章自身が見出した感性と才能を否定してしまった。

章は大手出版社を退職し、北海道で暮らし始める。
祖父母が遺したミュゲ書房を継ぎ、書店主として、
また個人出版の編集者として、本と関わっていく。
ミュゲ書房を愛する仲間が章を励まし盛り立てる。

私もウェブ上で小説を公開する書き手であるから、
広川蒼汰に自分を重ね、共感し、同調して読んだ。
よくある話なんだろう。そのくらいわかっている。
だから、その現実へのアンサーが本作なのだろう。

言質を取った。
瘡はさっさと切り捨てた。
仲間がいてくれた。
時をかけてでもあきらめなかった。

小説書きとして、小説を書くことで、闘っている。
危ういくらいの覚悟とプライドがにじみ出る作品。
本を創って読み手へ届ける、という仕事の世界に
誠意と情熱と信頼性とリスペクトがあってほしい。

★★★ Excellent!!!

出版業界という秘密のヴェールに包まれた部分が、すごい迫力とともに詳しく描かれていて、それだけでもとても勉強になりました。その上で、きちんとエンターテイメント性を失っておらず最後まで楽しませていただきました。とてもしっかりと記憶に残る作品だと思います。

物を書いて本にという形を夢見る方々には是非とも読んでほしいと思う、いや、読むべきだと思う。そんな作品です。

静かな佇まいのタイトルからは想像もつかないドラマがこの作品には詰まっています。

そして、あちこちにちりばめられた、スイーツや絵本などの素敵なエッセンス!(>_<)くぅ~!可愛い!またミュゲ書房の大正時代の洋館風の外観と相まって、とっても素敵な世界観を生み出します。

どの登場人物もとてもしっかりと描かれていて、読んでいてとても想像しやすくて、特に山田さんが私のイチオシです。(全体的に私の頭の中では羽海野チカ先生のイラストで再生されました)

私の中では☆5つです!(^-^)





★★★ Excellent!!!

カクヨムの方なら、本が好きなはず。
その本がどういうルートを通って書店まで来ているのか、そもそもどうやって『本』ができるのか気になりませんか?

物語の前半はそんな知識が学べる、祖父の書店『ミュゲ書房』を引き継ぐとともに、ミュゲ書房からの出版に挑戦する主人公・章の物語となっています。

しかし後半は一転として、章の大手出版社に勤めていたけれど辞めてしまった――という経歴に関わる困難な出来事に、章は関わっていくことになります。この後半の展開がとても面白いです……!

作者さまの丹念な調査により、作品内の出来事が本当に起こっているかのようなリアル感があり、物語に引き込まれます。

すでに多くのレビューがあることが、この作品の良さを物語っているでしょう。
文章も読みやすいので、ぜひページをめくってみてはどうでしょうか?
紙の本は良いものですよ。

★★★ Excellent!!!

 もうね、ミュゲ書房の素敵空間に憧憬の念を抱きっぱなしでした。
 楽器屋のトランペットをショーケース越しに眺める少年並みにキラキラの瞳で、物語を読み進めておりました。

 こんな素敵な本屋さんあったら、週8で通います。爽やかカフェマスターと選書してくれるJKときゃわいい幼女がいる時点で、週6は確定です。なんて本への愛に溢れた素敵空間なのでしょう。

 物語の構成も、素晴らしいの一言でございました。
 正直、某丸山社のくだりとか、ムカムカヤキモキもしましたけど、全部読んでみれば、痛快なエンタメドラマに仕上がっておりました。

 さらには、本づくりの過程や、書店への流通事情、出版業界のぶっちゃけたあれこれなど……色々と勉強になりました。
 作者さまの読書遍歴の深さと幅広さにも、感嘆するばかりでございました。しろくまちゃんのホットケーキ、ほんと美味しそうですよねぇ……。

 書籍化に関しては、作者様自身、非常に苦しい経験をなさったことと思いますが、その経験をこのような物語にメタモルフォーゼさせられる行動力と発想力は、本当に凄いと思います。読んだ後に、「あー、私もなにか行動を起こさないと!」という、ポジティブモチベーションを与えてくれました。 

 とりあえず、私も近所にあるひなびた喫茶店を、思い切ってミュゲ書房みたく改装してやりたい気分です。
 まずは、本に詳しい美少女JKと、幼女を確保することから始めないとな!
 (色々と間違った行動力を発揮) 

★★★ Excellent!!!

大手出版社に勤めながら、編集部のやり方に疑問を持ち、退職した主人公。
祖父が営んでいた地方の書店を譲り受け、そこで地元の人たちと触れ合ううちに、自信を取り戻していく、ほのぼのした物語……かと思いきや。

後半、ある登場人物の告白により、ラストに向けて加速的に展開していきます。

紅白見ながら読んでたんですけどね、気づいたら紅白終わってましたね。
もうミュゲですよ、こっちに夢中です。手に汗握る攻防とこんちくしょうな悪役にスマホも吹っ飛びます。

正攻法での逆襲劇、弱小企業が大手に一撃かます物語でした。

利益重視の企業体質と職人魂のぶつかり合いの結末はいかに!!

カクヨム利用者、本が好きな人、出版に興味がある、現代ドラマが好き、いろんな人に刺さる物語です。



★★★ Excellent!!!

 作家になる人とはどういう人だろう?
 そう考えたことはないだろうか。

 お話を書くのが好きで、必死に書き続けていれば作家になれるのか?
 才能のある一握りの人だけが作家になれるのか?
 市場の動きを見て、需要に合わせたものを書いていれば作家になれるのか?

 現状を見て答えを出すならば「需要に対する供給ができる人」ということになるだろう。

 だが、それは本当に自分の書きたいものだろうか?


 このストーリーは、コンテストの大賞受賞者がその受賞作を「レーベルのカラーに合わせた形で書き換えろ」と編集者から指示されるところからスタートする。
 『大賞を受賞した』にもかかわらず、その作品の良さを全部葬り、流行りのカラーに塗り替えることでしか書籍化はできないという。
 なかなかレーベルの思惑通りに書き換えない作者に業を煮やした編集者は、『出版を諦めさせる前提で』読みもしない全改稿を何度も強いる。
 その結果、作家は時間と労力を無駄に浪費して自信を無くし、書籍化を諦める。
 『書籍化失敗』というレッテルは出版社には何の痛手もないが、作家にとっては致命傷となる。華々しいデビューのはずが、『失敗作家』の肩書を背負ってしまうのだ。

 と、ここまではストーリーの冒頭部分。ここからいろいろな人達が関わって物語が展開していくのだが……。


 ここに出てくる「作家の卵」はまだ孵化していない卵でありながら、作家としての矜持を体の真ん中に持っている。それはどんな仕打ちにあっても絶対に揺るぐことが無い。

 「いつも新しいものを書いていたい」という創作欲、そして知らないことをどんどん自分から吸収しようと動く行動力、酷い扱いを受けてもへこたれない強靭な精神力。
 何よりも「絶対に作家になってやる」という強い意志。

 作家になる人と言うのはこういう人なのではないだろうか。

 少し書いてすぐ満… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

ものを書く人。自分の書いたものが本になる場面を夢見ている人。
そして、本を愛する全ての人に是非読んで欲しい、大変刺激的な作品です。

大手出版社である丸山出版の主催するコンテストで、作品『リベンジ』が大賞を受賞した新人作家、広川滉太。作品の書籍化に際し、レーベルのカラーに合わせるために編集者から「ノンストレスのライトノベル」という方向への強引な改稿を求められる。
コンテストの審査の際に広川の作品を強く推した編集者の宮本章は、広川の作品の出版のためにできる限り力を尽くす。しかし、傲慢で強引な編集長らに阻まれ、それを叶えることができなかった。
大賞受賞作は書籍化を確約されていたにも関わらず、『リベンジ』は再三の改稿作業の末、結局書籍化を打ち切られ——。
その後広川は、丸山出版の運営する小説投稿サイトからアカウントを消し、消息を絶つ。その事態に強く責任を感じた宮本は、丸山出版を辞職することを決意する。

——若くして大手出版社を辞職し、北海道の祖父母が営んでいた小さな書店『ミュゲ書房』を継いだ元編集者と、突出した才能を持ちながら苦い思いを味わった若い作家。彼らの熱い「リベンジ」が、ここから始まります。

「作品を書く」ことと、「その作品を売る」ことの間に広がっている、巨大な溝。書く側の心情と、それを売る側の思惑。そのずれがいかに大きいか。
そして、作家と出版社がどういう「力関係」で仕事をしているのか。
これらの驚くべき現実を、この物語は非常に詳細に描き出しています。
心身をすり減らして物語を書くことの重み。大切なメッセージを読み手に届けたいという作家の願い。その価値を誰よりも理解し、作家とその作品を大切に取り扱うのが出版社、編集者の仕事のはずでは?……そんな強い疑問が胸に浮かびます。

そして、この物語が最も強く訴えかけていることは——
素晴らしい作品は、どこにあっても必ず輝く… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

「丁寧に本を作って、その本を売るためのしかるべき努力をする」
この一行に、すべてが集約された物語です。

主人公の章は、ある新人賞を受賞した作家の卵の作品をめぐって編集長と衝突、出版社を辞めます。そして辿り着いたのが、祖父が北海道のA市でやっていたミュゲ書房。
ここが彼の再生とリベンジの舞台でした。
作品の中に盛り込まれているのは、「個人で書店を経営する難しさ」、「作者の宝物である作品を生かして編集し、一冊の本にする煩雑な工程」、「その本を売るための出版業界の掟」、それをこの作品は一つの面白いストーリーとして描き出します。

それはまさに、この作者さまとシンクロしているような物語です。第3回のカクヨムコンで受賞しながらも出版を断念した思いを昇華し、すべてを小説として書いたよう。
小説を書く者なら知っておきたい、受賞からの流れ、その難しさの全てが骨太のストーリーとして、面白い小説になっています。
カクヨムにアカウントを持つ、自分の本を夢みるあなたに読んで頂きたい作品です。

是非にも、一読を!

★★★ Excellent!!!

間違いなく、書籍化を目指す方ならば読んでおくべき作品です。

特に、かつて担当編集者のついたことがある人ならば、大なり小なり胸に突き刺さるものがあるでしょう。

言うまでもないことですが、作家になるということは簡単なことではありません。本を出すとなればさらに難しくなります。文藝編集者もまた、少しでも会社の利益となる作品を出す必要があり、それゆえに、作品の選定も手直しも厳しいものとなります。

そうであっても、首を傾げざるを得ない現実があります。

出版社のほうにも、慢性的に続く出版不況など様々な事情はあるでしょう。しかし、「数打ちゃ当たる」とばかりに新人作家の濫獲が行なわれているという事実もあるのです。

その上、「濫獲」と言っても、必ずしも出版されるというわけではありません。

受賞した、出版の打診が来た、などという話はよく耳にします。しかし、「出版する『かもしれない』から」という理由で、何ヶ月も、あるいは何年も改稿をさせられ、結局のところ出版できないという事例はよくあります。

それどころか、本当に実力があるにも拘らず切られることでさえもあります。

作者さんもまた、そのような事例に巻き込まれた方の一人でした(そして私もまた)。

本作は、この問題を重要なテーマの一つとして据えつつ進んでゆきます。

主人公は若い文藝編集者・宮本章。物語冒頭、彼はある新人作家の作品を書籍化させるために奔走します。しかしながら、全面的な改稿を何度も行わせたにも拘らず、編集部長の方針により出版できませんでした。

失意のうちに章は会社を辞め、実家へと帰ってきます。そこで受け継いだのは、祖父が遺した小さな書店『ミュゲ書房』でした。

『ミュゲ書房』は、同時に小さな出版社でもありました。物語はやがて、文藝編集者としての章の再生へ向けて動いてゆきます。

本作は「出版」というものの現実を扱ってい… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

初めに、感謝を。ミュゲ書房は私に現実の厳しさと、誠実に生きることの難しさと尊さを見せてくれました。

この物語の主人公は不器用です。あまりにも善を通し過ぎ、あまりにも人として誠実過ぎる。本音を言えば、初めは『これでは世の中渡っていけない』と、やや冷めた目で彼を見ていました。どこかで、曲げるのだろうと。

けれど、彼は誠実であり続けます。そんな彼と向き合う人々も真っ直ぐで、多くの挫折の中にあっても彼の善は曇らずに最後までそれを通します。

気がつけば、思っているのです。
『こんな人と仕事が出来たら、どれ程得られるものがあるだろう』と。

出版のこと、製本のこと、彼らの挑戦。見処はたくさんあります。ですが、私はこのミュゲ書房の一番の魅力は、最初から最後まで、全てに誠実であろうとした主人公の姿にあると思います。

ひとりでも多くの人に、彼に出会って欲しい。そして、誠実さは確かな力だと知って欲しいのです。

★★★ Excellent!!!

ミュゲ書房――大正末期に建てられた洋館を改装した書店は、今その生涯を終えようとしていた。しかし、皆の愛に支えられ、街の小さな書店は息を吹き返す。
この物語は、リベンジという名の再生の物語。

一人の編集者が……

一人の作家が……

小さな書店が……

再生する物語。

人は誰しも挫折や失敗をよしとしない。
しかし、考えてみて欲しい。
成功の過程にたまたまその挫折や失敗があっただけだという事を。
自分を信じて、相手を信じて、挫折や失敗を乗り越えた先に、成功が待っているという事を。

★★★ Excellent!!!

オレンジ11様の描く人間ドラマがいかに人を惹きつけるかは、もう他の多数のレビュワーさんがお書きになっているところです。

いつ読んでも無理のない文体と文の構成は、御本人がエッセイなどでお書きの通り、並ならぬ配慮と推敲があってこそ、と。取材に基づく揺るぎないリアリティも、その確固たるものに一書き手の立場では自分の書き方が恥ずかしくなるほどです。

個人的には、書き手として、読み手として、本や物を書くことに向き合った今までの記憶がぶわっと湧き上がりました。

出てくる作品たち。懐かしい作品、手にとって装丁にため息をついた本。汚したくなくてそっとしまった記憶。
実際の本も盛り込まれ、本当に本屋さんにいるみたい。

そして公私両面で、文章を書くとき第三者の間で生じる軋轢。妥協と、相乗効果の両側面。多くの方が経験おありでしょう。仕事や、旧くは作文などで。
だからこそ主人公章くんの辞めた会社に顔をしかめ、ミュゲ書房の章くんの元で書きたい、と思わせるのです。

そして、とても個人的な感想です。
暖かい日差しを感じながらゆっくり本を読む時間を、思い出させてくれるような雰囲気を作品全体から感じるのです。珈琲の香りがして、木の机の上に大好きな本を広げて読むのです。
読了後、感じました。

これは本に対する自分の記憶や気持ちを改めて気づかせてくれるお話。

芸術は普段の現実で隠れているものに目を向けてくれるものと言います。ゴッホの絵にある靴のように。

同じように、普段気に留めていなかった思いが浮かび上がる。このミュゲ書房で。

★★★ Excellent!!!

自分の作品が書籍として出版される。
ここカクヨムで作品を発表している創作人の中には、それを目標としている方も多いでしょう。
本作は、そうした方には特に深く刺さる物語です。

自分が担当していたWeb作品の書籍化に失敗した、ラノベ編集者の主人公。
勤めていた出版社を退職して継いだ祖父母の書店『ミュゲ書房』で、なんとその作品『リベンジ』の作者と運命の再会を果たします。
二人は今度こそ『リベンジ』を書籍化しようと動き始め——

「本を創る」ということは、一体どういうことなのか。
「物語」を生み出す創作者。
「商品」を売り出す出版社。
信念と、愛着と、利害と。
何を取り、何を捨てるのか、はたまたどこで折り合うか。

一冊の本を創って売るのにも、多くの人が関わっているのだということがよく分かります。
本作には書店の経営事情や出版に際した契約関係のことも丁寧に書かれており、分かりやすい上に読み応えがあって非常に面白いです。

一度は挫折し、多くの人の力を得て再び目指す夢だからこそ、この『リベンジ』は必ず成し遂げなくてはならない。
その想いが胸に沁み、目頭が熱くなります。

作者様の過去作『市長の恋』の佐伯市長や山田さんも登場し、同作のファンにも嬉しい仕様。
現在、物語は佳境を迎えています。最後まで心して彼らの『リベンジ』を見届けたいと思います!

★★★ Excellent!!!

これは第35話「メール」を読了した時点でのお勧めになります。
ですが、ここまで読んだだけでも、自信をもってお勧めできます!
それだけ凄い「大ピンチ」を中盤クライマックスで見せつけられてしまいました。
ただの大ピンチなら、よくあります。
でも、ここまで「良いことばかり」の大ピンチは見たことがありません!!

本作は、ある編集者とアマチュア作家の挫折とリベンジの物語です。
どこかで聞いたような名前の小説投稿サイトのコンテストで大賞を取った小説『リベンジ』。しかし、その作風がレーベルに合わず、編集長の判断で書籍化が中止されます。『リベンジ』を推した編集者である主人公は、書籍化中止の同時にサイトから消えて行方をくらませてしまった作家に申し訳ないと思い、大手出版社をやめて国に帰ります。

そして、国元で祖父母が営んでいた小さな書店の店主として再出発しますが、そこで多くの人々に出会い、書店として専門書の出版まで手がけるようになります。
そこで、偶然にも作家と再会し、今度は自分の書店で『リベンジ』の出版を手がけようとします。この作家との再会も衝撃的なので、注目です!

そして、いざ出版秒読みとなったところで、突然「大ピンチ」が襲ってくるのです。これが本当に作家にとっても、主人公にとっても「良いことばかり」の内容なんです。でも、主人公たちとしては、正に「大ピンチ」です。この内容はぜひ作中で読んでください。私は思いっ切り痺れました!

この「大ピンチ」がどうなっていくのか、続きが楽しみでなりません。今から読み始めてもリアルタイムで楽しめるはずです。ぜひぜひ、読み始めてください!

さて、ここから、さらに物語を楽しむためのバックグラウンドについて少し補足しましょう。
本作の作者様は、実は前回のカクヨムコンにおいて『市長の恋』という作品で特別賞を受賞しています。本作にも『市長の恋』の主人公や主… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

メッセージ性の高い物語は数多くありますが、大抵は実体験が辛く、隠してしまいがちなので、不燃焼になります。
しかし、この作品は違う。
作者が痛みから逃げず、覚えている全てをぶつけて書いています。

「書籍化」という憧憬を持ち、誰もが目指す頂点へ、走っています。
でも、手をかすめることもあるんです。
それが冒頭にて既に書かれているライトノベル作家。そしてなんとかしてあげたくても出来なかった担当のメールなどがリアルに迫っています。

こういう物語をしっかりと読んでください。かなりの良作です。

本の良さに「自分が経験できるはずがないことを、手にできる」というものがあります。実体験だけではなく、こんどは「ミュゲ書房」の立ち上げを通し、色々な流通を練っていく。合間も、消えた作家のことを想いつつ……。

時代の変革を見つつ、自分の想いも昇華しながら読ませる物語に仕立て上げる。
これは、なかなかできないことです。

悔しかった想い、嬉しかった想い、それでも書籍や物語を愛する想いはみな、同じですよね。

ちょっと泣きました。そして縁の下で頑張る皆様の努力も、書き手は知らなければなりません。一人では書籍化は為りえない。

――この作品を強く推していきたいと思います。皆さん、是非お読みください。
作者さま、頑張ってくださいね。

★★★ Excellent!!!

失意の果て出版社を退職した元編集者の章。
故郷にて祖父の書店「ミュゲ書房」に関わっていくことに……。

連載中「第28話 ソウサクの仲間たち」読了時点のレビューとなります。

地域の人たちと共に「ミュゲ書房」を盛り立てていく主人公・章。
常連や市長、読書家の女子高生・桃……さまざまな登場人物が各々の役割をもって生き生きと描かれています。

現在、地方で書店を商うことは大変厳い状況です。
けれどその中には自由もあり喜びもあります、それらを感じさせてくれます。

そして、章の心に深く傷を残しているある大賞受賞者を巡る出来事。
物語の発端であり、核ともなるこの問題は、作品中一貫して描かれており、読者にその過去を適切に思い出させます。
そうして終着する未来はきっと誰もが納得する結末なのであろうと期待させてくれます。

ここからエピローグまでの後半も楽しみにしております。
最後まで執筆がんばってください!^-^

★★★ Excellent!!!

キャッチコピーからもあるとおり、書籍化中止から着想を得たフィクションです。
作者様は第3回カクヨムコンで受賞されたけど、書籍化にはならなかった経歴を持ちます。


ある出来事を機に出版社を退職した主人公。この出来事は作者様以外には書けないでしょう。
祖父の書店に関わることになり、大きく物語が展開していきます。わくわくの予感です。

文書うまく読みやすいです

編集者とのやりとり、リアリティあります。

書店についても詳しく調査されてます。

シリアスストーリー好きなかた必見。

自伝、市町の提案とストーリーは色々膨らみます。

意外な展開あります。

リベンジは色んな意味を含んでます。わたしとしては、作者様のリベンジになっていただきたいです!


第5回のカクヨムコン受賞作品、早くも決定!?

★★★ Excellent!!!

思い砕かれて出版社を退社した、若き編集マン。社会人としての体裁か、編集マンとしての情熱か。煮え切らないままに任されることになった、祖父経営の「ミュゲ書房」の店仕舞。
しかしミュゲ書房は一風変わった経営をしており、常連さんも一癖もある人ばかり。
そして持ちかけられる、「自伝を出版してみないかーー」
自分の人生とどう向き合うか、そんな葛藤を胸に、主人公はどんな明日を選択するのだろうか。

徹底的な調査と自身の経験を見事に昇華させた内容は、見事の一言。読みやすく繊細な筆致で、ぐいぐいと物語に引き込んでいきます。

特別賞受賞の実力派作家が贈る、圧巻のフューマンドラマ。
出版業界に興味がある方なら絶対チェックです!

★★★ Excellent!!!

「あぁ、ここにあったんだね。ミュゲ書房」
そう口に出して言う日を待ち望んでしまうような、そんなお話しでした。学生時代も、勿論今も、こんな居場所が欲しかったなぁ。なんて。

「これが現実だよな」と思わせるような社会や現状と温かく優しいストーリーが同じ鉢植えで共存しています。なんだかお風呂に入っているかのような感覚になる小説でした。一話一話が決して長くはないのですが無駄な文章がなく、優しい表現であるというのに中身がぎゅっと詰まった重厚さを感じました。

元々編集者として働いていたが事情により職を離れた主人公がじいちゃんの残したミュゲ書房と共にどう生きていくのか、そして彼が担当していた「賞をとっていたが出版にならなかった小説」の作者は…。繊細な背景と巧みな会話、そして魅力的な登場人物達にどんどん夢中になっていきます。気が付いたら毎日ミュゲ書房に通ってしまいます。会員証、作りました。今日も5時間はいたかなぁ。

★★★ Excellent!!!

作家との確執のために出版社をやめた元編集者の若者が、地方にある個人経営の書店を再開させるお話です。

出口が見えない出版不況と業界の闇の関係。
才能ある作家が潰されてしまう原因。
この作家さんはもしかしてあなたかもしれません。

元司書のおじいさんがつくった書店は、本好きならば一度は訪ねてみたいと思うーー書店員なら「こんなお店で働きたい!」と思うお店でした。

『ミュゲ書房』はたいせつなことを教えてくれます。

ぜひ紙の本で!(できるなら文庫でなくてハードカバーの単行本で!)じっくりと読みたいと思える作品です。


スズランの花言葉は……
本屋に行って調べます。

★★★ Excellent!!!

 北国の書店「ミュゲ書房」を舞台にした物語。
 端正で清潔な香りのする筆致で描き出されているのは、出版や書店を取り巻く厳しい現実、そして主人公の挫折と再生です。

 ひとつの本が出版されるまでの厳しい世界、どろりとした側面。書店経営の難しさと、本を愛する人たちの想い。そのどれもが非常にリアルで、自然で、つい「小説」と「現実」の境目が脳内で曖昧になってしまうほどです。
 自らの本を世に出すことを目指している方、本が好きな方ならきっと、深く突き刺さるのではないかと思います。

 主人公、ミュゲ書房、みんなのもとに、再び幸せが訪れますように。
 これからも、彼らの未来を祈りながら拝読したいと思います。

★★★ Excellent!!!

実はその昔、僕もとある全国誌に連載を持っていた時期があります。最初は口約束で単行本化を条件に連載をしていたわけなんですけど、編集部内では評価が高かったようですが、連載が終わり、いざ蓋を開けて見ると親会社の双◯社がどうしてもゴーサインを出さないと言うのです。

理由は簡単。知名度がない、その一点でした。

この物語はそのへんの内幕をリアルに描いています。女魔導師の物語なのにハーレムを強引にねじ込めさせるなどの不条理。出版業界は甘くないとかつての自分を重ね合わせて読んでいます。

物語はどう展開するのか、興味がつきません。