これぞまさしく『リベンジ』! 読むべし!

 出版業界の裏側がよくわかるお話です。
 作家の卵を潰してしまった編集者が、挫折を味わったところから始まるストーリー。
 大手出版社をやめたあと、祖父母の作り上げたミュゲ書房を継いで書店主になるのですが、この書店がまたすごくいい! こんなところで日がな一日過ごしたい! と思わせてくれる素敵な書店です。
 そこで広がる人間模様から、新たな編集者としての道がひらけてきます。

 不屈の精神でもってよい作品をさらに磨きあげていく作家と、作家の才能に惚れ込んでよい本を出したいという編集者が織りなすストーリーにぐいぐい惹きこまれ呑みこまれていきました。

 才能を持った人、信念を曲げない人が最後には報われる。とても素敵なお話をありがとうございました。


 レーベルのカラーに合わないから、と大賞受賞作なのに出版取り止めになった『リベンジ』。それでも本にしたい、そう惚れこんでくれる編集者が、そして読者がいてくれる。そんな作品を書きたいですね。

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