ヨーロッパの単館公開映画のような物語!

前半は、少年の生い立ちから少女との出会いまでを、事細かに丁寧な言葉で描写されます。
少年が背負うことになる暗い過去。
眩しいばかりに光り輝く少女との出会いは、物語の根幹を淡い幻想と期待感を持たせる、夢のような終盤を連想させ、幼い二人の恋物語が夢のように描かれます。
しかし、時代の流れがそれを許してくれません。

日本の昭和史をヨーロッパのある国に置き換えたような物語は、ファンタジーの世界を超えて、あなたの胸にリアルな幻影となって迫るはず。
聞こえくる戦争の足音に、追い立てられるように郷里を離れる少年と少女。
光りあふれる美しい景色のなかで、手を取り合う二人から目を離せなくなります。
残酷にも流れ行く時間のなかで、彼らは何処に辿り着くのだろう?
是非、あなたの目で追ってください。

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