ソレイユの涙

作者 竹神チエ

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★★★ Excellent!!!

この作品は読ませる作品です!
ファンタジーですが、現実の歴史上でも起きていただろうたくさんの悲劇やその状況下での人々の病んだ心境や絶望を見ているようでした。
架空のドラゴン病というものがストーリー上重要な役割を果たしています。
戦時下という背景もあり、とてもリアルに人間の醜さや、儚い希望や逃げからくる楽観などが緻密に描かれていました。
主人公のひたむきで、けれどどこか臆病で歪な思いとその結末に、ヒロインのけなげさに、涙すること間違いなしです。
次は次はどうなる?と貪るように読んでました。(笑)
切ないラストの後には、きっとキラキラとした太陽と風に揺れるひまわり畑が心に浮かぶのではないでしょうか。
ヒロインソレイユ視点でも読んでみたいと思った作品でした。
名作です、是非ご一読を!

★★★ Excellent!!!

太陽、この言葉がこれほど胸を突き刺すとは思いもしませんでした。

読むほどに、胸に迫る主人公の苦しい気持ち
救いが欲しいと願いながら、彼らの現実を私はよく知っているのです。

哀切にまみれた世界の中で、真実と正義のゆらぎが
ふたりの男女を引き裂いていきます。

読まれれば、あなたもきっと、この狂おしいほどの痛みと愛に
打ちのめされるはずです。

おすすめです。

★★★ Excellent!!!

連載中、なんどこの物語を読み、心が締め付けられたか。
何度、この物語に泣かされたか。
何度、この世界の神様にふたりの幸せを願ったか。

物語の舞台は、異世界ではあるものの、どことなく、過去の日本に似た世界です。
病気に対する偏見。戦争が忍び寄る雰囲気が、常に読み手側を不安にさせます。

家族を喪い、引き取られた叔父とも、病によって引き裂かれる主人公ルギウス。
薄幸のこの少年の前に現れたのは、まるで太陽のような少女ソレイユ。

身分違いのこの二人は、だが、互いに惹かれあい、互いの存在に意味を見いだしていく。

だがここで。
ルギウスの側に居る『何か』は、にたり、と嗤うのです。
ケタケタケタケタケタ、と。

お前を決して、離さないぞ、と嗤うのです。
ケタケタケタケタケタ。

お前は邪悪なのだ、と。
ケタケタケタケタケタ。

ケタケタケタケタケタ。
ケタケタケタケタケタ。


物語の最後に。
ルギウスが再びみつけたもの。
その輝きに、すべてが浄化されますように。

★★★ Excellent!!!

 貧しい家の生まれであった主人公「僕」ことルギウスは、家族を失い、叔父に引き取られました。
 ある日、ルギウスがひとりで遊んでいると、太陽のような女の子が声を掛けてきました。これが、お金持ちの家のソレイユとの出逢いでした……。


 もしも時代が違ったら、このふたりは成長して、甘く切ない身分違いの恋物語を紡いだことでしょう。
 けれど、ここには戦争がありました。不治の病がありました。
 誰もが心の中に持っている「邪悪」が、頭をもたげる要因がそこら中にありました。

「邪悪」のはびこる物語は、読んでいて愉快にはなれません。
 けれど、決して目を背けてはいけない、忘れてはいけない。これは「読むべき物語」だと思わせるものがありました。

 ルギウスとソレイユが紡いだ物語は、この時代の、この国でなら、どこにでもある、ありふれた物語だったのかもしれません。
 ――いいえ。ふと振り返った私たちの後ろにも、この物語が横たわっているような気がするのです。

 この物語を読み進める中で、何度も辛く悲しい思いをしました。
 けれど、読了したときには「読んで良かった」と思いました。


 この物語を綴ってくださった作者様に感謝します――。

★★★ Excellent!!!

ドブコン参加作品は、完結してからレビューと決めていたのですが。
現時点での最新話「13-6 離脱」に感動し、今書こう! と思い立ちました。

完結まであともう少しだと思いますが、結末がどうなっても、良い作品であることに間違いはないでしょう。

あらすじやタグからは、予想できない良さがある作品です。
第一に、とても読みやすい。
第二に、フィクションですが、主人公の「僕」の目を通して語られる世界、心情は限りなくリアル。はっとするような描写が散りばめられています。

そして特筆すべきは、性描写。
この描写がすごいと思いました。
直接的ではないのですが、ここまで美しく切なく書けるのかと、作者様の意外な(と言っては失礼かもしれませんが)才能に驚かされました。

転生ものやザ・ファンタジーな作品が多いドブコンの中では異色作ですが、とても質の高い作品です。

★★★ Excellent!!!

前半は、少年の生い立ちから少女との出会いまでを、事細かに丁寧な言葉で描写されます。
少年が背負うことになる暗い過去。
眩しいばかりに光り輝く少女との出会いは、物語の根幹を淡い幻想と期待感を持たせる、夢のような終盤を連想させ、幼い二人の恋物語が夢のように描かれます。
しかし、時代の流れがそれを許してくれません。

日本の昭和史をヨーロッパのある国に置き換えたような物語は、ファンタジーの世界を超えて、あなたの胸にリアルな幻影となって迫るはず。
聞こえくる戦争の足音に、追い立てられるように郷里を離れる少年と少女。
光りあふれる美しい景色のなかで、手を取り合う二人から目を離せなくなります。
残酷にも流れ行く時間のなかで、彼らは何処に辿り着くのだろう?
是非、あなたの目で追ってください。

★★★ Excellent!!!

暗鬱な悲劇の連続から、一人の少女との出会いで幕を開けるこの作品。目を覆いたくなるような悲惨な境遇を過ごしてきた少年と、そんな少年を照らす太陽のような少女が様々な出来事を経て少しずつ成長していき、自分達の生き方を見つけるかと思いきや……思わぬ展開に言葉を失います。

ジャンルがホラーということもあって、淡々とした描写には背筋が寒くなります。どちらかと言うと、海外の小説に近い印象がありますね。とにかく雰囲気作りが上手い。自分で文章を書く時、強調したい部分は変に盛り上げたりしたくなっちゃってくどい感じになってしまうんですけど、この作品ではとても自然に、それでいてしっかり印象に残るように書かれているのが凄いと思います。ていうかちょっとうるっときました。

小さく切ない恋物語。人間ドラマがお好きな方におススメです!

★★★ Excellent!!!

 降りかかる悲劇により孤独になってしまう、内気で繊細な主人公。彼の前に現れたのは、太陽のような少女、ソレイユ。暗い時代や舞台設定の中で語られる二人の様子は、曇天の合間に差す光のように、儚くも美しいのです。然し、徐々に二人を追い詰めるように迫り来る時代の流れと運命の前に、二人はどのような道を歩いて行くのか――。

 おどろおどろしい描写や、人の愚かさ弱さに触れる内容でありながら、えぐみを感じない文章が心地よく、重苦しい世界観の中へ導いてくれます。面白いですよ。

 是非皆様も、ご一読!