愛するからこそ、辿りつく未来

最近はコメディ多めで、おおいに笑わせてくれる作者さまの久しぶりのシリアス長編です。
舞台は中世フランス風の世界。主人公は吸血鬼退治が専門の騎士団に所属しますが、身体も小さく剣技もまだまだでひよっ子扱い。それが気にいらず他の団員に食って掛かっては、よけいに子供扱いの悪循環。しかしながら剣技に神聖力と抜きんでた隊長と、気の許せる仲間たちにかこまれて、面白おかしい毎日を送っています。

その騎士団が、主人公の生まれ故郷へと移動させられることにより、物語は動き始めます。
主人公が思い出したくもない重い過去。そして宿命。それが吸血鬼の王レゾンと出会ったときに!

すっかり笑いを忘れてしまった作者さまの筆は冴えわたり、終盤に近づくにつれ加速度的に物語に引き込まれること請け合い。いつものコメディとは違った奥の深い味わいを、どうぞその目で確かめてください。
これがあるからこそ、わたしはこの作者さまが好きだったりして。(笑)

その他のおすすめレビュー

穂乃華 総持さんの他のおすすめレビュー815