少年の真っ直ぐさが、未来を創る

世界の各地に動物の特徴を顕著にあらわす、獣人が発見されて100年ほど経った世界を舞台とする物語です。

ストーリーの視点となる主人公は、自分が獣人であることを隠し、人に紛れて獣人を捕らえて管理・研究する施設の看守。
ユキヒョウの少年は、その施設に囚われた神獣にも例えられる美しさを持った白き虜囚。
彼の頑なにも真っ直ぐな心が、人のなかで自分の心を欺き、黙して生きる主人公を動かすことから物語が動きだします。

彼を逃がすはずだった故郷での出来事。行動を共にした潜伏地での可弱き少女の救出。人と共に生きる新たな獣人との出会い。
ストーリーはドミノ倒しの如く、パタパタと足早に進行する速度は、作者さまの深い考察と構成の巧みさを如実に表しています。
物語を読み終わったあと、少数者の尊厳、多数者であるからこその残酷な切り捨てと傲り。
人としての優しさがどうあるべきなのかを考えさせられる物語でしょう。

ただわたしは……物語に面白さに次へ次にと読むことを止められず、終わりまで辿り着いてしまっただけなのですが。
あなたも読むことが止められない、そんな物語になるはずです。