16話 駅名への帰路

[この電車は走島線快速 樺檜樫原かばひかしわら行きです。次は砂利山川原、砂利山川原。The next station is Zaramagawara,DI-07.走島線、黒花利線、路面電車2系統、六茸線第一支線、駅鯖線、駅鯖線快速はお乗り換えです。]


「これって松前さんの声だったんだね。」

「そうだよ。…ということで、真幸んちに住ませてもらってもいいか?」

「いや、どういうことだよ。まあ住みたいってんならいいけど…」

「巌根も素直じゃねぇな!住んで欲しいならそう言えばいいのに!」

「なっ…何故そのことを!まさか岸玉、お前読心術でも習得してるのか!?」

「海で一緒に遊んでるうちに仲良くなったみたいだね。」

「なるほどね、もっと巌根に絡みやすくなったのか。」


 巌根、やっと楽しそうな顔をしてくれたな。馴染めて来たのかな?あっ、そういえばあの人が楽しそうにしている顔は見たことないな…


「ほら、駅鯖線快速に乗り換えるんでしょ?」

「そうだった…すっかり忘れてた…」

「おーい!もう電車来てるぞ!早く乗れ!」

「わかったよ!」


[本日もUM駅名鉄道をご利用いただきありがとうございます。この電車は駅鯖線快速 駅名行きです。次は石山原、石山原。The next station is Isamabara,ER-02.石山森いさまもり石山溶岩いさもうがん石山雪いさむき新峰唐蓋しんみねからふた、南峰唐蓋へお出でのお客様はお乗り換えです。]


「あ、そう言えば肆くんはまだ打ち解けてないみたいだけど?」

「あ、うん。ちょっと親に言われたことが少し怖くてね…」

「その内容って?」


[次は駅鉄峰唐蓋、駅鉄峰唐蓋。The next station is Ekitetsu-minekarafuta,ER-03.]


「言えないよ!『言ったら現実になるぞ』って親から脅されて…」

「そ、そうなんだ。じゃあ言わない方がいいね。」

「うん…」


[次は峰小境、峰小境。The next station is Minekozakai,ER-04.初期新幹線新峰小境駅とは異なりますのでご注意ください。]


「こんな放送が入るんだね!」

「ここが行きの時に見た海水浴できそうな場所か。『峰小境』と、メモっておこう。」


[次は小説、小説。The next station is Kotoki,ER-05.北小説、南夢中みなみむうちへお出でのお客様はお乗り換えです。]


「やっと小説県に入ったな!」

「何でそんなに嬉しそうなんだ…?この旅が終わってしまうんだぞ?」

「逆に何でワクワクしてないんだ?お前は生き別れた幼馴染とこれからずっと一緒に過ごせるんだぞ?」

「そうだな。そう考えるとワクワクして来た!」


[次は夢中達川、夢中達川。The next station is Mūchi-tachikawa,ER-06.]


「あ、そうだ。今はまだ駅鯖線が延伸して快速線も新幹線も伸びて来たけど2学期が始まる頃にはこの辺は路線だらけになるよ!」

「え、MR松前鉄道峰唐蓋支社みたいに?」

「そこまでではないけど、割とぐっちゃぐっちゃするかも。」

「ここが行きに見た大きな駅か!」

「話を聞け。」

「聞いてるよちゃんと!」


[次は夢中中央、夢中中央。The next station is Mūchi-chūō,ER-07.北夢中、南鯖名、駅鉄鯖名へお出でのお客様はお乗り換えです。]


「夕陽が綺麗だね。」

「あぁ。そうだな。」


[次は終点、駅名、駅名。The next station is Umayana,ER-08.]


「次がもう駅名か。この面白い仲間たちと2学期まで会えないのか…」

「そう考えると寂しくなってくるね…」


[まもなく駅名、駅名。終点です。駅名線、初期新幹線はお乗り換えです。 We will soon make a brief stop at Umayana, ER-08, the last stop.]


「ついたー!駅名!ただいまー!」

「るっせぇ!静かにしろ!」

「はーい。」

「じゃ、次会うのは2学期だな!」

「またな!」

「じゃーねー!」




次章予告!


 次回から秋季移動教室編。行先は上沢藍紀先生が所有している奈平鉄道のあたり!新しいキャラも出てくるかも!

 えっ?「そもそも上沢藍紀先生って誰だ」って?番外編2を見て来てください。

 えっ?「どこで出て来たか」って?6話だよ6話。10話ぶりの登場!


次回、秋季移動教室編準備編!次回も見てくれよな!

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