18話 1日目-1
駅名駅の奈平新幹線のホームには僕たちの学校の生徒がたくさんいた。
僕たちがこの新幹線に乗ることにみんな驚いていた。
[本日も奈平新幹線をご利用いただきありがとうございます。この電車はなひら305号平沢市行きです。次は
「みんな『うまやな号』の方に乗るんだね。『なひら号』に乗るのはうちの班だけみたいだし。」
「まあ『うまやな号』の方がすぐ奈平に着くからね。」
「そういえばこの辺って奈平新幹線しか通ってないよな。」
「でも冬にまた新しい路線ができるらしいよ。」
「またか。」
[まもなく、南新府、南新府。南新府の次は
「冬完成したらすぐみて回りたいんだけど…岸玉付いて来てくれる?」
「まぁ、用事ないしいいか。」
「ありがとう!」
[次は刷説に停まります。 The next station is Suri-toki.]
「もしよければでいいんだけど…僕も付いていってもいいかな?」
「玖漆も?珍しいな!構わないよ!」
「ありがとう!」
[まもなく、刷説、刷説。刷説の次は
「俺もついて行っていいか?」
「ただし高松、てめーはダメだ。」
「なんでぇ!?」
「なんとなく。」
「なんとなく!?」
でもこんな会話ってなんか好きだな。
[次は去府羌に停まります。The next station is Kyō-kyō]
この車内放送が流れた瞬間、僕の体に電流が走った!
「この漢字列で
「多分そんなものでテンション上がるのお前くらいだぞ?」
[まもなく、去府羌、去府羌。去府羌の次は
「駅名を『そんなもの』呼ばわりとはひどいよ…でもなんとなく察しはついてるよ…」
「なんだわかってたのか。つまんねぇの。」
[次は新石山に停まります。The next station is Shin-isama.]
「あれ?いつのまに峰唐蓋県に入ったんだ。」
「県境って刷説の直後だろ?結構前じゃん。」
「見逃した、くそう!」
悔しがった僕をみて笑ってる岸玉を見るとなんか安心するなぁ。
[まもなく、新石山、新石山。新石山の次は夏板に停まります。境町線はお乗り換えです。We will soon make a brief stop at Shin-isama. After leaving Shin-isama, we will stop at Kaban.]
「てかこの放送上沢先生の声だね。」
「あっ、そう言われてみればそうかも。」
[次は夏板に停まります。 The next station is Kaban.]
「とうとう奈平鉄道の本拠地に行くのか!」
「本拠地ってお前、もっと良い言葉思いつかなかったのかよ?」
「うん。」
「だろーな。」
「なんか見限られてる感じがしてその言い方やだ。」
[まもなく、夏板、夏板。夏板の次は
「はいみんな、乗り換えるよ!」
「どこにだっけ?」
「
「よし、じゃあ乗るぞ!」
[本日も奈平鉄道をご利用いただきありがとうございます。この電車は覇出線 平山線・奈平線直通 平沢市行きです。次は
「それはそうと、これで『わいと』って読むのか、読めるわけないよな。」
「でもそこが良い!好き!」
「はいはい好きなのはわかりましたよー。」
[まもなく東方、東方。県営地下鉄東方線はお乗り換えです。The next station is Tōho, WI-09.5.]
「何その興味なさそうな口調。」
「興味ないからな。」
「うん。なんとなく知ってた。」
[次は
「待って、今なんて言った?」
「『みなみしゃこ』って言ってたな。」
「これで『みなみしゃこ』って読むのかよやべーな!」
[まもなく南東蝦、南東蝦。The next station is Minami-shako, WI-09.25.]
「えっ、駅番号もすごいな。9.25って、4分の1までつけたのか。」
「こんがらがるだけじゃ?」
「駅ができた順番くらいしかわからないよな。」
「目的地までの駅数もわからないしな。」
[次は奈鉄境町に停まります。The next station is Natetsu-sakaimachi, WI-09]
「やっと整数値か。」
「あ、そう言えば宿内でなんかやるって聞いた?」
[まもなく奈鉄境町、奈鉄境町。境町線・
「知らないよ?何?」
「上沢副校長先生が何かやるらしいよ?先輩方から聞いたんだけど。」
[次は出伝市に停まります。The next station is Totsuteshi, WI-08.]
「どんなのやるんだろー?」
「先輩たちいわく、『それは見てのお楽しみだ。いやあれはお楽しみなのか?』って言ってたぞ。」
[まもなく出伝市、出伝市。山中玲音線、奈平新幹線、県営地下鉄出束線はお乗り換えです。The next station is Totsuteshi, WI-08.]
「一体どういうことなんだろう?」
「さあ、一応期待しないでおけば?」
「そうだね。」
[次は
「えっ!?藍紀駅?上沢先生の下の名前じゃん!」
「ちゃんとここら辺の地区名が『藍紀』だかららしいな!一応由来もあるみたいだぞ!」
[まもなく藍紀、藍紀。The next station is Aiki, WI-07.]
「おっ!久しぶりのリサーチ力発揮!」
「こいつリサーチ力がすごいのか?『久しぶり』ってことは前どこかで発揮したのか?」
[次は西出伝に停まります。The next station is Nishi-Totsute, WI-06]
「ここはなんか浮島みたいなのがあるんだけどそこが観光地らしいよ!」
「たしかにそれっぽいな。」
「まだ信じられてない!?」
「まあな。」
[まもなく西出伝、西出伝。The next station is Nishi-totsute, WI-06]
「そういえば4月くらいの時獣研についてなんか疑ってたよね。」
「そんな前の話やめろよ恥ずかしい。まだそれ俺が陰キャの時のやつじゃん。」※1話参照
[次は
「これで『つて』って読むんだね。」
「
「おっ、ちょっと信憑性増してきた。」
[まもなく津伝、津伝。The next station is Tsute, WI-05.]
「何%くらい?」
「15%」
「15%!?すくねぇなオイ!」
[次は東出津に止まります。The next station is Higashi-izu, WI-04]
「それはそうとあの時のお前怖かったなぁ。」
「あ、あれ俺の口調がたまたまああだっただけで疑ったりとかしてなかったからな?」
[まもなく東出津、東出津。The next station is Higashi-izu, WI-04.]
「過去形ってことは今も疑ってるってこと?」
「いやいや、そもそも疑ってないし今もこれからも疑わねぇって。」
[次は
「『神さま』みたいなアクセントじゃないんだね。」
「えっ、期待してたの?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど…」
[まもなく上沢、上沢。奈平環状線はお乗り換えです。The next station is Kamisawa, WI-03]
「あっ、ここも環状線通ってたのか。」
「あまり環状線がどこ通ってるか把握できてないんだよな…」
[次は出津下に停まります。The next station is Izu-shita, WI-02.]
「それほんとわかる。比較的新しい路線だからっていうのもあるね。」
「ちゃんと覚えないとだね。」
[まもなく出津下、出津下。平山線山出津駅はお乗り換えです。The next station is Izu-shita, WI-02.]
「えっ、ここ地下駅だよ?乗り換え結構かかるの?てかこの電車平山線直通だよ?どういうこと?」
「実はこの出津下駅、山出津駅と構内でつながっている、というか向こう側のホームがもう山出津駅なんだよね。」
「ええっ!?」
[次は
「これで『わそ』か、覇出線難読ばかりだな。路線名も難読だし。」
「だがそれが良い。でもなんでこっちの方は難読が多いんだろう?路線図見たけど奈平線の方は難読なかったし。」
[まもなく覇蘇市、覇蘇市。奈平新幹線、奈平環状線はお乗り換えです。この電車は平山線・奈平線直通 平沢市行きです。The next station is Wasoshi, WI-01.]
「たまたまじゃないか?」
「これで覇出線は乗り通したのか。」
「あ、そっか。直通だから全然気にしてなかった。」
[本日も奈平鉄道をご利用いただきありがとうございます。この電車は平山線 奈平線直通 平沢市行きです。次は
「なんかすごい駅名だね。」
「え〜っと、次で降りるのか?ここに何かあるのか?」
「あ、みんな見て!」
[まもなく王久漆、王久漆です。海底トンネル線はお乗り換えです。The next station is Okyu-no-urushi, HY-05.]
「おぉ!綺麗な海!」
「駅名市って割と内陸なほうじゃん?だからたまには海で遊ぼうってね!」
僕だけが楽しむのはなんか申し訳ないからね、みんなにも楽しんでもらわないと!
「先生にはなんて理由をつけたんだ?」
「このほかにもう一箇所海で遊べるところがあるんだけど、そことの違いを調べるって言ったよ。」
「あー、んじゃ一応メモとっとくか。写真も。」
「次乗るの何分発?」
「15分発。」
「あと20分くらいしかないのか。」
「だから満足いくまで遊んじゃえ!砂浜がある海岸はここだけだぞ!」
「え、なんで『ここだけ』ってわかるの?」
「俺の『リサーチ』!すごいだろ!」
「お!俺のお前に対する信憑性が上がったぞ!」
「何%くらい?」
「25%」
「まだ4分の1か。」
「ほら、もうあと15分しかないよ!海岸で遊べるのは実質あと10分だね!」
僕はこの10分を皆と一緒に楽しめたと思う、一人を除いて。なんか真顔で参加してて少し草だったね。ね、肆くん。
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