5話 2日目後編

「こんなに疲れるなんてトキはすごかったんですけど!(ドヤァ)」

「ムフゥ。」


 そこどやるところじゃなくない?まあいいか。


「ありがとね!」

「あ、そうだ。アルパカ・スリから伝言。『言い忘れてたけど良かったらまた来てにぇ!』だって!」

「じゃあもう一回伝言してもらえるか?」

「任せるんですけど!(ドヤァ)」

「『絶対約束する。また行く!』と!」

「わかったわ。じゃあね。」


 トキたちが飛んでいる姿って綺麗なんだな…


「そういえば岸玉はさっきから平然と立ってるけど大丈夫か?」

「あ、行きは石動が漕いだんだっけ?あんなので石動は疲れたのか。力弱いな?」

「お、お前がムッキムキなだけだ!」

「あ、やっぱり?だから千林に声かけられたのか…?」

「千林って?」

「あ、こっちの話。気にしなくていいから。」

「そう言われると気になるわね。」


 そんなことを駄弁りながら川の方へ歩いていたんだけど…ちょうど渡し守がきたね。


「みんな、ジャガーが来たぞ!」

「今日は人数が多いからカワウソにも手伝ってもらってるよ。」

「ヒトを載せるのは初めてだから楽しみなんだ〜!」


 大丈夫かな…?興奮で運転が荒くなったりしないかな?


「安全運転で頼むよ?」

「わかってるよ〜!」

「にゃ〜ん。」

「お?ワイトもワクワクしてるのか?」

「にゃ〜ん!」

「へぇ〜、その猫ワイトって名前なんだ〜。へんなの〜へんなの〜!」

「ネコ科が猫を飼うっておま」

「さ、乗って乗って!」


 あ、そうだ。分け方ってどうするんだろう?


「さっきの分け方でいいか?」

「それでいいけど僕猫アレルギーあるからコツメカワウソのほうがいい…かも。」

「じゃ、それでいいか?」

「「「「「うん」」」」」

「全会一致だな。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「綺麗だな。」

「本当にね。」

「ちょ、ちょっと酔いそう…」

「久礼大丈夫か!?」

「そろそろつくよ〜!せ〜のっ!」

「セ、セーフ…でも少し休憩させて…」

「時間的には余裕あるな。じゃあここでちょっとQK!」


 ふぅ、河原で休ませてもらってるうちに…って


「にゃ〜ん?」


 ワ、ワイト!?モフモフしたいけど猫アレルギなんだよな…


「ちょ、ちょっとこっちこないで…」

「ほらワイト、一緒に遊ぼ!」

「にゃ〜ん…」

「助かったよ…」

「どういたしまして!」


 あっちはどんなことしてるんだろう?


「みんなでジャグリングしてみるか!」

「よっ!ほっ!」

「これ難しいな…」

「そうか?ほっ!ほっ!」

「思ってたより結構簡単ね!」


 そういえば…玖漆はどこいった?あ、隣にいた。


「玖漆は行かなくていいの?」

「うん。実は僕も少し酔っててね。」

「結構な時間休んでたけど酔いは落ち着いた?」

「多分。久礼は?」

「僕も。みんなそろそろいけそうだよ!」

「よし、じゃあそろそろ行くか!」

「じゃーなー!」

「またねー!」

「にゃ〜〜〜〜ん!」


 ここからはじゃんぐるちほーの見学ルートに入るんだったよね。


「アニメ通りならどんな順で会うんだっけ?」

「え〜っと…」

「オカピだぞー!」

「タスマニアデビルだぞー!」


 あ、いつの間に!?


「あ、そうだ、最後オカピだったな。」

「思い出した、オカピ、エリマキトカゲ、タスマニアデビル、クジャク、ミナミコアリクイ、キングコブラ、アクシスジカ、インドゾウ、フォッサ、マレーバク、オセロットだ。」

「てかもうその法則崩れてるね。」


「てかなんで怖がんないんだ?」

「うわぁ!?びっくりした!?」

「うひゃぁ!?いきなり大きな声出さないでよぉ!」

「ひぇぇ…」

「3人驚いてくれた!まぁ、そのうちエリマキトカゲとミナミコアリクイはいつもだけどな…」


 玖漆も怖がりなんだ…あ、あそこにいるのは!


「クジャクさんだ!」

「はい、クジャクですが?」

「一つ頼みごとがあるんだ!」

「何でしょうか?」

「その上尾筒?って言うの?を畳んで触らせて!お願い!」


〈お、おい!落ち着け!やめろ!クジャクさんがそんなこと許してくれるわけないだろ!〉

〈岸玉はなんでそんなに焦ってるの?試しに言ってみただけだよ。〉


「うーん…ダメですかね。」

「えー…」

〈やっぱりな。〉


「ただし、5秒以内、羽を抜かないこと。これが守れたらいいですよ。」

「はい!他にもクジャクさんが嫌だと思うことをしてしまったらそこで終わりにしてボコボコにしてもらっても構いません!あと、5秒はクジャクさんが数えてください。」

「そんなに言うなら、いいでしょう。はいどうぞ。」


 やった!


〈…まじかよ〉


「それでは行きますね。よーい…スタート!1…2…3…4…5。はい、終わりです。ちゃんと約束は守ってくれましたね。4くらいで離してましたし。もういいですか?」

「念願の夢が叶って満足。」

「そんな話してる時間ないんじゃない?」

「そうだな。おーい、みんなー!そろそろ行くぞー!」

「「「「はーい」」」」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ガタンゴトン…ガタンゴトン


「ここら辺並行してるんだね。」


 …ん?「ひぇぇ…」って聞こえたような…?気のせいかな?


「み、みんな、あっち見てみて!」

「あぁ、あいつらか。」


 あ、例の班ね。


「今日こそ決着をつけさせてもらう!仲間とともにな!」

「フォッサてめぇリーダー面してんじゃねぇ!まぁ、元々お前らの戦いにうちらが参加したみたいだから良いのか?分かんねぇや!」

「また無益な戦いを…」

「そ、そうだよ!キングコブラさんのいう通りだよ!やめようよ!」

「「「はぁ?やめるわけねぇだろこの戦い」」」

「「ひぇぇ…」」


 やっぱりあっちは荒れてるな…


「キングコブラが怯えるところとか珍しいぞー!」

「あんな人たちほっておいて先行きましょ。」

「「「「そうだな(ね)」」」」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「もう大板駅に着いちゃった。」

「アクシスジカ、インドゾウ、マレーバク、オセロットには会わなかったね。」

「今調べてみたけどここから鯖名中央方面に向かった方が早いみたいだ。」

「ちょうど電車来たね。」

「そうだね。」


[次は鯖名境、鯖名境。The next station is Sabanna-sakai,JP-04.]


「おっ?これはナンバリング対応なんだね。」

「こっちの方が珍しいのかな?」


[次は河馬池、河馬池。The next station is Kabaike,JP-03.]


「お?カバが見えた!おーい!」

「手振り返してくれた!よっしゃ!」


[次は太木、太木。The next station is Futogi,JP-02.]


「これがバオバブか…やっぱり大きいな…」

「あれ登るの僕には無理そう…」


[次は鯖名中央、鯖名中央。The next station is Sabanna-chūō,JP-01.]


「ここからあの旅が始まったのか…」

「聖地の一つに数えられてもいいのかもな。」


[本日も者張鉄道をご利用いただきありがとうございます。この電車は境収環状線各駅停車 日ノ出港、旅館蟻塚方面行きです。次は日ノ出港、日ノ出港。The next station is Hinodekō,JP-21.支線はお乗り換えです。]


「明日はここから山の方に行くのね…」

「大丈夫かな?なにも起こんないかな?」

「それフラグって言うんじゃ…?」


[この電車は境収環状線各駅停車 旅館蟻塚、狐温泉方面行きです。次は旅館蟻塚、旅館蟻塚。The next station is Ryokan-aritsuka,JP-20.ロッジアリツカ最寄駅です。]


「ついたぞー!」

「ここがロッジアリツカか…」

「お前ら、昨日のことは校長先生が許可してくれたからいいけど、普通はダメだかんな?」

「それはわかってます…わがままを聞いてもらってすいません…」

「ほら、お父さんってすごいでしょ?ね?ね?」

「お前も少しは反省してる素振りを見せなよ…」

「まあいい、部屋のことだが、駅東高校、駅西高校の男子、女子で別れてもらう。」

「じゃあ次に皆に会うのは明日の朝だね。」

「じゃあ先行くから。」

「岸玉もじゃ〜ね〜!」

「また明日な〜!」


 そっか。岸玉と次に会うの明日か…いや夕飯の時…も別か。


「よぉ〜し、タイリクオオカミに会いに行くか!」

「その前に荷物置きに部屋に行こうか。」

「そうだね。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ハァ〜疲れた…」

「お疲れ。」

「お前は…誰だっけ?」

「恋ヶ窪 高松だよ!初日に話したじゃん!」

「…………あぁ!あいつか!今思い出した!」

「酷くない?てかそんなに思い出すの時間かかる普通?」

「さっきまでどんな話ししてたの?」

「そりゃもうお前らの話で持ちきりだよ!昨日温泉宿の方に泊まったんだってなぁ?」

「う、うん…」

「覗きとかs「しないよ!二次元しか興味ないしそんな僕みたいな陰キャにそんなリスク高いことできるわけないよ!」

「お、おう。ところで…そっちの人は?」

「あ、僕?僕は肆 玖漆。よろしくね?」

「なんか若松みたいだな。」

「それはわからなくもない。」

「それよりさ、風呂とかご飯とか先済ませてもう寝る準備しない?」

「あそっか、夕飯の時間も風呂の時間も自分で決めて行動しないといけないのか…」

「じゃあ3人で一緒に動かない?」

「いいね!よしじゃあ先風呂だ〜!」

「「おー!」」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「もう着替えたしあとは寝るだけだな…」

「明日早いからもう寝るか…」

「周りも静かにしてくれてるから寝れるね。おやすみ〜」

「「おやすみ〜」」


〜〜〜〜〜〜その頃、石動と巌根は〜〜〜〜〜〜


「失礼する。ここにタイリクオオカミはいるか?」

「ああ、いるよ。君たちか、私に会いたいと言っていたのは。」

「よく怖い話をして来客に怖がってる顔をさせて写してるって話を聞いているよ。」

「そう言うってことは私の怖い話を聞きたい、そして怖がらない自信があるってことだね?」

「いや違う。君を怖がらせたらどうなるか気になるだけだ。」

「あ…え、えっと…それは…ど、どういう…」

「さぁ〜て、実験開始だ。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 その後聞いた話だと、その日の夜タイリクオオカミさんは一人で寝れず、アミメキリンと寝たらしい。かわいい。

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