春季移動教室編

2話 準備編

「まぁ…こうなるよね。」

「だな。」


 僕たちの班は久寿川牟礼、岸里玉出、肆玖漆、巌根真幸、稲梓真鶴、中村橋石動の6人。


 正直、「だろうね」という感想しかない。


「みんな、移動教室楽しもうじゃないか!行きたいところある人はいるか?」

「泊まるところがロッジだから…」

「タイリクオオカミを逆に驚かせるとどうなるのか、興味あるな。」

「それは気になるな。」

「やっぱり温泉に行ってキタキツネちゃんとゲームしたいな!」

「私はカフェの紅茶を飲んでみたいわね。」

「じゃんぐるちほーに行って2話では少ししか映らなかった不憫なフレンズに会いに行きたいな…」

「僕も!」


 みんな行きたいところいっぱいあるんだな…ん?


〈おい久礼、あそこの班やばそうだぞ?〉

〈こいつ、直接脳内に!〉

〈じゃないって!ただのひそひそ声だろ!とりあえず、あそこ見て!〉


な ん か 喧 嘩 し そ う 。な ん で ぇ !


「うちらはここに行きたいんじゃオラァ!」

「そんなこと言ったってそこに行ったらこっちに行けなくなるだろ!」

「と、とりあえず名前を…」

「「はぁ?」」

「ヒッ、ヒィィ!」


な ん か 不 憫 な や つ い る


〈あのでっかいのが千林大宮だ。入学式のとき絡んできたやつ。〉

〈あ〜言ってたやつね。確かに怖い…〉


「まぁ相手方に困ってるのもいるし名前くらいは言ったら?」

「そ、そうだな。ウチは野江のえ 内代うちよ。でこっちが。」

「こっちがって言うな!俺は関目せきめ 高殿こうでん。おい、そっちは?」

「俺は牛込うしごめ りゅう。隣にいるのが妹の」

「牛込 神楽かぐらだ。」

「早くお前も言えよ。」

「ぼ、僕は若松わかまつ 河田かわだ。よろしくね?」

「「はぁ?何が『よろしくね』だぁ?」」

「ひぇぇ…」


〈ひぇぇ…一緒の班じゃなくてよかった…というか普通に千林大宮いい人そうじゃん。〉

〈ただね…顔がね…〉

〈まあわからなくはない。〉


「じゃあ行程表は組んでおくから今日は解散で!」

「お!助かる!」


後日…


「なぜ移動教室がジャパリパークなのかと言いますと、昔この駅名市は駅家うまや町と鯖名さばんな町に分かれてました。そこで鯖名町とジャパリパークが姉妹都市となり、合併後も続いています。」


「言っちゃうと、僕たちが行くキョウシュウエリアにも者張じゃぱり鉄道があるんだけど、校長が作ったんだ!」

「へ、へぇ…」

「校長先生すごいな。」

「あと、駅西高校の目の前にある駅西駅と駅東高校の目の前にある駅東駅を結ぶ駅名鉄道も…?」

「うん、作ったぞ。」

「えっ、じゃああの運賃は…」

「学校の金になるよ。」


 …………え?


「うへぇ…」

「とにかく、者張鉄道を使うことを考えて行程組んでみたぞ!」


〜行程1日目〜


12:15 キョウシュウ着(出港でこう

12:20 日ノ出港駅から境収キョウシュウ環状線急行 旅館蟻塚りょかんありつか狐温泉こおんせん方面行き乗車

12:30 狐温泉駅着

12:40 狐の温泉宿到着

16:40 狐の温泉宿出発

16:50 狐温泉駅から境収環状線各駅停車 旅館蟻塚、日ノ出港方面行き乗車

16:55 旅館蟻塚駅着

17:00 ロッジアリツカ到着


〜行程2日目〜


8:00 ロッジアリツカ出発

8:05 旅館蟻塚駅から境収環状線急行 狐温泉、人鳥台ぺんぎんだい 方面行き乗車

8:25 案院橋あんいんばし駅着

8:30 ロープウエイ案院橋駅発

8:35 高原駅着

8:40 カフェ到着

13:25 カフェ出発

13:30 高原駅発

13:35 ロープウエイ案院橋駅着

13:40 ジャガーの川渡し

14:00 じゃんぐるちほー案内ルート

16:10 大板だいいた駅から境収環状線各駅停車 案院橋、迷宮めいきゅう方面行き乗車

16:30 旅館蟻塚駅着

16:35 ロッジアリツカ到着


〜行程3日目〜


8:00 ロッジアリツカ出発

8:10 旅館蟻塚駅から境収環状線支線 神山上しんさんうえ行き乗車

8:20 神山上駅着

12:20 神山上駅から境収環状線支線 日ノ出港、旅館蟻塚方面行き乗車

12:25 日ノ出港駅着

12:30 帰宅


「で、どうだ?」

「うおおおお!最高!最高です!」

「あ!それマーゲイ!だけどそんなに似てねぇな。」

「辛辣すぎないか?」

「それは置いといて、この行程はいいんじゃない?」

「よし!じゃあまた移動教室でな!」

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