13話 切黒…林?どうしてそんな…

[この電車は六茸線蛇河行きです。次は一本木いっぽんぎに停まります。 Thank you for using Mutsutake line. This train is bound for Dagō,MT-11. The next station is Ippongi, MT-04.]


「そういえば、砂利山川原見た後ってどうするか決めてないよね。」

「そのまま帰るんじゃない?時間も時間だし。」


[まもなく一本木、一本木。黒花利線はお乗り換えです。 The next station is Ippongi, MT-04.]


「帰るときは快速線使いたいからなぁ…その分早くこちらを出ないといけないのか。」

「俺、こっちに残る!」


[次は崖川がいせんに停まります。The next station is Gaisen, MT-05. ]


「えっ、」

「「「「「「えーっ!?」」」」」」

「ちょ、ちょっと!?真幸!?」

「そんなことしたらマスコミが大騒ぎするよ!」

「そ、それもそうか。しかし…」

「平城山さんと別れたくないのはわかる、わかるよ?でも…だからって…」


[まもなく崖川、崖川。木走きばしり線、走島線、走島線快速はお乗り換えです。 The next station is Gaisen, MT-05.]


「じゃあ、僕がそちらに向かおうかな?」

「でも平松はこの会社やってるんでしょ?離れていいの?」


[次は樺樫谷かばかしたにに停まります。The next station is Kabakashitani, MT-06. ]


「うん。まあその道の詳しい方がもっといるし、その人に頼めば…」

「やった!」


 というと巌根は平城山さんに抱きついた。


「あわわわわわ…」

「ホ、ホモォ…」


[まもなく樺樫谷、樺樫谷。唐島とうとう線はお乗り換えです。 The next station is Kabakashitani, MT-05.]


「いやいや、お前らだって生き別れたと思っていた幼馴染に会って、さらにこれから一緒に生きていけると言われたら、抱きつきもするだろ。な?久礼。」

「う、うん…わからなくはないけど…」


[次は黒樫河原くろかしがわらに停まります。The next station is Kurokashigawara, MT-07. ]


「え、お前吹浦さんに抱きついたことあんの?」

「まあ私と牟礼の仲だったらね!何回もあるよ!」

「えぇ…」


[まもなく黒樫河原、黒樫河原。唐檜新幹線、路面電車1系統、2系統はお乗り換えです。 The next station is Kurokashigawara, MT-06.]


「この黒樫河原の次が目的地の切黒林だよ!」

「そういえばなぜ『切黒林』っていう駅名なんですか?」

「切黒林駅は黒樫が生えてる森の端にあるんだけど、その森の…なんて言えばいいのか…境目?って言えばいいのか…が切られてるんだよね。木が伐られてるわけじゃなくて、ある面から1ミリでも出るところを全て切られてるんだよね。だから木の断面が見えるの。」


[この電車は六茸線蛇河行きです。次は切黒林に停まります。The next station is Sekkokubayashi, MT-08. ]


「あれ?何ここの三線立体交差は?」

「下が走島線・走島線快速の線路、上が六茸線快速の線路だね。」

「あれ?六茸線みたいに快速線と普通ので分かれてないんだな。」

「まあ、途中の海浜刀半島って駅で分かれるけどね。」


[まもなく切黒林、切黒林。樺檜線、路面電車2系統、3系統はお乗り換えです。 The next station is Kurokashigawara, MT-06.]


「あ、ほんとだ。木の断面が見えるね。」

「そうだな。」

「よし、じゃあここの説明をしようか。」

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