20話 1日目-3
「とりあえずメモとかとって時間潰したしナヒカン乗るか。」
「なにそのモヒカンみたいなやつ。」
「奈平環状線の略。」
「なにそれ。」
そんな怪訝な目をされたらそりゃ焦るよ…あ!そういえば!
「ほら、上沢から
「覚えてないな。」
えぇ…なんで覚えてないの…?他に説明できそうなものは…あった!
「ほら、あの電車だよ!」
「あ、あれか。」
[次は
「なんで電車は知ってたの?」
「並行してる時にすれ違ってたからな。」
「そういえば…そうだね。あ、あと放送はナンバリング未対応なんだね。」
「そういやそうだな。」
[まもなく新海咲、新海咲。奈平線・奈平線快速はお乗り換えです。The next station is Shin-umisaki.]
「ところで、ここら辺の市の名前、『
「
「ここから奈平線とかと別れるんだね。」
[次は
「結構山の中はいるんだね。」
「山なのに海咲なんて由来が気になるな。」
[まもなく東海咲、東海咲。The next station is Higashi-umisaki.]
「え、また海の上を通るの?」
「この陸地結構細かったんだね。」
[次は
「えっ、この字で『みな』って読むんだ、すごい!」
「『咸陽』とかでしか見ないもんな、しかもその地名の方の読みかたは『かん』だったし。」
[まもなく西咸束、西咸束。The next station is Nishi-minazoku.]
「まだ海には届かないんだね。」
「咸束地区って海の上だけだと思ってたけど、陸地の一部もそうだったんだな!」
[次は
「もしかして、咸束って…」
「そう、あの島だよ。」
「えっ!?あんな小さい島に乗換駅が!?」
[まもなく咸束、咸束。県営地下鉄
「ほんとこの島狭いな。」
「乗る電車は来てないみたいだね。」
「まぁ、発車するの20分後だしな。」
「予定にはなかったけどここの海のこともメモしとこうか。」
ここは予定になかったからみんなに了承を得てからやらないとね。あれ?一つおかしいのが紛れてなかったか?
「え?『そね』って何?」
「『そうだね』のこと。『そうだね』→『そうね』→『そね』って移っていったんだよ。」
「ほう…」
「ついでに最近だと『行ってきます』のことを『いてきま!』とか『いてきー』とか言うかな。」
「こっちメモ終わったぞー。」
「ありがとー!あと写真取んなきゃだねー!」
「そーだなー!」
なんて話しているといきなり高松が大声を出した。
「ん?おい!俺たちが乗る電車が見えてきたぞ!」
「うわっ、びっくりした…何その無人島みたいなノリ。間違ってないっちゃないけど…」
「とりあえず乗っちゃおっか。」
[本日も県営地下鉄をご利用いただきありがとうございます。この電車は出束線
「あれ、全然地下に入らないね?」
「まあ海だからな。」
「えっ、あんなギリギリから地下に入るんだ…」
[まもなく東咸束、東咸束。The next station is Higashi-minazoku, DB-09.]
「咸束に陸地の一部が入らないとあの島だけになるから確かに広さ的にも必要なのかもね。」
[次は
「あ、そうそう。実は出束線って出伝市から束京まで結ぼうとしてたんだって。」
「えっ、あの束京?」
[まもなく出束、出束。The next station is Detaba, DB-08.]
「海の下通そうとしたらしいんだけど、途中駅作れなさそうだからって言って咸束に方向転換したんだって。」
「ついでに出束なんて地名もつけちゃって…」
[次は
「え?出束ってそんなに新しい地名なの?」
「そうなんじゃないか?」
「てかもうここから出伝市なんだ…」
[まもなく南出伝、南出伝。The next station is Minami-totsute, DB-07.]
「全然出伝市っぽくないね。自然ばかりじゃん。」
「まあ、『自然と一体化した都市』って謳ってるからな。」
[次は
「港って言ってるけど…結構内陸だよね?」
「そりゃ咸束に比べりゃな?でも一応ここにも川は通ってるし。」
[まもなく出伝港、出伝港。The next station is Totsutekō, DB-06.]
「川の着岸する所って『港』って言うのかな?」
「それは知らんけど、まあ駅名に書いてあるってことはそう言うことなんじゃね?」
[次は
「次また乗り換えるよ?」
「何に?」
「
[まもなく出伝市、出伝市。奈平鉄道奈平新幹線、覇出線、山中玲音線新出伝駅はお乗り換えです。The next station is Totsuteshi, DB-05.]
「またか…」
「しょうがないじゃん!境町線に始発から乗りたいんだからさ。」
「結構ここの乗り換えつらいんだよな…」
「山中玲音線乗ったら境町線への乗り換え楽なんじゃね?」
「確かに。でもちょうどいい電車が…」
「あるよ!じゃあそっちに乗り換えちゃおっか!」
[次は
「また一駅で乗り換えるのか…」
「でも対面乗り換えだから楽だよ?」
「あっ、そうなのか。ならよかった。」
[まもなく境町、境町、終点です。境町線、覇出線奈鉄境町駅はお乗り換えです。The next station is Sakaimachi, the last stop.]
「境町線の駅名もすごいよな。」
「そうだね。色々な『境』がつく駅の近くを通って行くもんね。」
「早く乗らないと電車が出ちゃうよ!」
「よし、じゃあ乗ろう!」
[本日も奈平鉄道をご利用いただきありがとうございます。この電車は境町線
「この路線は『境』がつく駅の近くを結構通るんだよね!」
「
[まもなく元境町、元境町。県営地下鉄出束線はお乗り換えです。The next station is Moto-sakaimachi.]
「そのうち松鉄境町のところは
「てか久礼、出束線をそのまま乗っててもここで乗り換えできたじゃん。」
[次は
「でもどうしても始発から乗りたかったんだよな。」
「なんで?」
「なんとなく。」
[まもなく森林、森林。The next station is Shinrin.]
「あ、そういえば『なんとなく』で思い出したんだけど。」
「どうした?」
「岸玉、俺のこと今どんくらい信用してる?」
「うーん…久礼はどんくらい信用してんの?」
「100%だよ!」
[次は
「わかった。じゃあ俺はお前を45%くらいしか信用してないが、俺はお前を100%信用している久礼を100%信用する。」
「つまり?」
「俺はお前を100%信用するってこった。」
[まもなく東方境、東方境。県営地下鉄東方線はお乗り換えです。The next station is Tōhō-sakai.]
「ありがとう!それだけで嬉しいよ!」
「さて、ここで乗り換えだな。」
「やっと宿に向かうのか。」
「僕のこと…わすれてない?」
「わすれてるわけがないよ!ってかこの声、誰の声?」
「ひどい…」
「じょ、冗談だって!」
[次は
「あれ、新東野ってどこかで聞いたような…?」
「確かに…どこだっけか?」
[まもなく新東野、新東野。出束線、奈平鉄道
「あそっか、出束線の終点の放送で聞いたのか。」
「てか久礼、出束線をそのm「そのくだり飽きた。」
「アッハイ。」
[次は
「あれ、博麗神社ってナヒカン通ってなかったっけ?」
「あれ、そうだっけ?あまりそこらへん覚えられてないからな…」
[まもなく博麗神社、博麗神社。奈平鉄道線はお乗り換えです。The next station is Hakurei-jinja.]
「やっぱり!合ってた!」
「ここら辺も覚えなきゃな…次覚えるのはここにするか。ふぁ〜あ…」
[次は
みんな今日は疲れちゃったかな?僕以外全員寝ちゃった。え?何で僕は寝ないかって?
[まもなく博麗、博麗。The next station is Hakurei.]
そりゃ、鉄道に乗ってるからね!しかも起こす人も必要だし。
みんなを起こさないように静かにして動かないようにしないとね。
[次は
それにしても暇だな。地下鉄だから景色があまり変わらないってのもあるし一人駅名しりとりでもするか。
[まもなく北浮間、北浮間。The next station is Kita-ukima.]
ちょうどいいし北浮間からにするか。ま、ま、
[次は
一コで終わっちゃったよ…てかそっか、裏城址駅は地上だから景色が観れるのか。
[まもなく裏城址、裏城址。The next station is Ura-jōshi.]
ここからは乗ったことある区間…なんだけど景色よく見れなかったからちょっと見るか。城址のあたりどうなってるか気になるし。
[次は
へぇ、切り通しみたいになってるんだ。ってかそろそろみんな起こさなきゃ。
「ほらみんなそろそろ起きて!次県営奈平だよ!」
「ん?県営奈平…ってもうそこまで来たのか!」
[まもなく県営奈平、県営奈平、終点です。新東方線、奈平鉄道線はお乗り換えです。The next station is Kenei-nahira, the last stop.]
みんな目を覚まし県営奈平についた。宿までの道は一回通ってあるし大丈夫!
「先生!ただいま戻りました!」
「ほい、じゃあ注意事項とタイムスケジュールだけ確認してってな。」
「んじゃ、また明日な。」
「ん?その前になんかあるよ?」
「『上沢先生からの出し物』だって。一体何やるんだろう?」
「さあ?多分先輩たちが言ってたものだろうな。詳しい内容はわからないが。」
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