9話 行け!行け!巌根!巌根!行ってきマスク!

「やっと集まったな!それじゃあ早速行くぞ!」


 巌根はやはり意気込みが違う。

まあ、僕も電車に乗ることや難読駅名に出会うこと、あまりみたことがない漢字が使われている駅名に出会うことにはワクワクしているけどね。


「とりあえず乗車券配るぞ〜」

「は〜い!」

「さて、こいつらの面倒を見なきゃ行けないのよね…まぁ女は私一人じゃないから大丈夫かしら、ね?志都美?」

「えっ?あ、私は牟礼を面倒見るからそのほかの人はお願い!」

「久礼は俺も見ておくから大丈夫だな。」

「僕は二人に見られてるのか…」

「見向きもされない僕ってここにいていいのかな…?」

「そんなことないよ!精神的な支えになるし。」

「本当!?嬉しいな…」


 なんか志都美と岸玉が玖漆になんか色々話してるけどまあいいや。お?話は済んだみたいだ。玖漆はキリッとして戻ってきた。なんか岸玉と志都美は哀れみの眼差しを送ってるが…僕ってそんなに精神的にほかの人に頼っちゃダメかな?


「そろそろ改札内入るぞ?」

「ん!わかった!」


 階段を降りていくと新しい新幹線ホームが見えてきた。


「ここが新幹線ホームか!ナンバリングはSKなんだね!」


[まもなく8番線に初期新幹線 初期しょきリスポーン行きが参ります。途中停車駅は、新峰小境しんみねこざかい、砂利山川原、唐檜が原、一本樫市いっぽんがしし、初期リスポーン値です。]


「そろそろ来るみたいだよ…?」

「来た!」


[駅名、駅名。駅名線、駅鯖線、駅鯖線快速はお乗り換えです。]


「乗り込むぞ!」

「そんなハイジャックするみたいなこと言わないで、お願いだから。」

「全員乗ったかしら?」

「僕で最後だよ…」

「とりあえず、座ろうぜ?」


[本日も初期新幹線をご利用いただきありがとうございます。この電車は初期リスポーン値行きです。次は新峰小境に停まります。 Thank you for using Shoki super express. This train is bound for Shoki Respawn Chi, SK-01. The next station is Shim-minekozakai, SK-04. ]


「新幹線なんて初めて乗ったよ…」

「あの大きな駅の駅名ってなんだろう?帰りに確認してみよう!」


[まもなく、新峰小境、新峰小境。新峰小境の次は、砂利山川原に停まります。 We will soon make a brief stop at Shim-minekozakai. After leaving Shim-minekozakai, we will stop at Zaramagawara.]


「ふ〜ん、ここら辺は海岸線沿いを走ってるんだな。あとで海水浴にでも来ようか。」


[次は砂利山川原に停まります。The next station is Zaramagawara, SK-03. ]


「この区間もほぼ地上なんだね。」

「あ、こっち側きて。この灰色の台地ってもしかして地理でやった…?」

「ん?そうだな。多分…石山いさま台地だと思うぞ。」

「つまり、峰唐蓋県に入ったってことか…」


[まもなく砂利山川原、砂利山川原。砂利山川原の次は、唐檜が原に停まります。駅鯖線、駅鯖線快速、走島そうとう線、走島線快速、黒花利くろかり線、路面電車2系統、六茸むつたけ線第一支線はお乗り換えです。 The next station is Zaramagawara, SK-03. After leaving Zaramagawara, we will stop at Tōhigahara.]


「あ、もうここから地下なんだ…」

「しかも結構な量の路線が通るんだね!」

「しかも曲がる回数も多いな。酔いは大丈夫か?」

「大丈夫だよ!」


[次は唐檜が原に停まります。The next station is Tōhigahara, SK-02. ]


「みんな!次降りるよ!」

「そういえば松鉄本社には話してもらえたんだよな?」

「うん!大丈夫だ。」


[まもなく唐檜が原、唐檜が原。唐檜が原の次は、一本樫市に停まります。白砂はくさ線、唐檜新幹線、一本樫線、樺檜かばひ線はお乗り換えです。 The next station is Tōhigahara, SK-02. After leaving Tōhigahara, we will stop at Ippongashishi.]


「おーい、降りるぞー!」


[唐檜が原、唐檜が原。白砂線、唐檜新幹線、一本樫線、樺檜線はお乗り換えです。]


「ついたわね。」

「上り階段が二個あるけど…こっちが唐檜が原駅方面か。」

「『平城山 松前』、待ってろよ…」

「怖い怖い…」

「券無くしてない?」

「大丈夫だ。」

「あー!久しぶりの外の空気だー!」


 外の空気が美味しい。さすが自然。というかなんか目の前に物々しい雰囲気の建物があるんだが…


「ってこれが本社か…本社というか塔だな。」

「入るよ!」


ガチャッ


 おぉ、巌根堂々と進んで行ってる…何も言わずに乗り込むって割と怖い…


「MR松前鉄道本社へようこそ。今日はどのようなご用件で?」

「社長の『平城山 松前』に会いたいのだが。」

「お話は伺っております。しかし、社長は今休暇を取ってまして、多分自宅にいると思われます。これが地図と住所です。」

「なるほど、峰唐蓋県一本樫市不動三丁目か、よし、そこに行くぞ!」

「お、おう」


 次の目的地…峰唐蓋県一本樫市不動三丁目

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る