第20話 王国へ招待(いざ、動く)

 不利だと思われた決闘は女性二名による圧倒的勝利で終わった。


「さて、確か勝者には敗者になんでも言うことを聞く。そうでしたよね?」


 凄く悪そうな顔をするアイラ。

 悪魔な子、アイラ。その顔は凄い魔王の仲間らしい。


「それでは時間がもったいないので願いを言います」

「え、ユミナさんが言うの!」


 アイラではなくユミナさんが答える。

 まあ、いいだろう。時を戻そう。


「ええ、それは戦いに今すぐ参加してもらいます」

「それが勝者の言葉なら」


 敗者の騎士達は膝をつき頭を下げる。

 まあ、何をともわれこれでやっと騎士たちはゴブリン退治に動く。


「さて、行きましょうか魔王様」

「そうしよう。俺もゴブリンに会ってみたいし」

「ゴブリンならいつでも魔界で会えますのに?」

「違う、この国を攻め込むゴブリンにだ」

「なぜ、ゴブリンにそんなに気になるのですか」

「なんだろうな、けど気になるだ」


 頭の中のゴブリン達、それはアニメやゲームで当たり前のイベントを想像していた。


 + + + + + + + + + +


 ドルーク公国の騎士達はさっきまでとは違う。

 酒を飲んでいたのに武器や準備はすでにできていた。

 今すぐに出発できる。


「どうやらドルーク公国は戦の準備はすでにできていたようですね。いつでも戦う準備ができているからあのような態度を」

「そうみたい」

「これは良い情報ですね。ドルーク公国に攻め込むには少し骨が折れますね」


 アイラの意見には同意するが、俺的には攻め込む気はそもそもない。

 ここを攻め込むにはどれだけ者達を犠牲にするのか。


「5分後には出発するぞ!」

「はい、騎士団長」


 ドルーク公国の騎士団長だろうか。若い。

 ユミナさんと同い年か、それにしてもイケメンだ。気に食わない顔だ。

 気に食わないアイツの名前でも聞こうとユミナさんに顔を向けると、


「ユミナさん」

「ユリナ姫!」


 ユミナさんに近づくフリフリな少女。

 今さっき姫と言われた少女は楽しくユミナさんと話している。

 それはまるで姉妹のようだ。


「行くのですね、気を付けて」

「はい。それでは行ってきます」

「ええ、帰って来て下さい」


 ユミナさんは送り出される。

 これから向かう場所へ、いざゴブリン退治。

 少し遠回りをしている気がするが。


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