第19話 王国へ招待(決闘場で)
ドルーク公国の稽古場。
今からここで三対三の決闘をすることになった。
「初めはわたしが」
「次は私がいきます」
「最後は俺なの・・・・・・」
アイラもユミナさんもなんでやる気なの二人とも。
それより俺は剣を握ったことがないのに。
「お前らこの中から武器を選べ」
図体がでかい騎士が道具箱を無造作に床にばら撒く。
「まあ、勝てるなといいな」
最後の最後まで喧嘩を売ってくる。
「魔王様奴の命を奪っても」
「良くない!」
「大丈夫です。私がヤルので」
「なんでユミナさんまでヤル気なの!」
こんな状態で決闘できるのか。
とりあえず武器を選ぶか。
木刀、斧、剣、棍棒。
どれもしっくりこない。
「わたしはこの短刀があるので」
「私は剣です」
「俺は・・・・・・どれにしよう」
ここにきて優柔不断が発動。
悩む。剣もカッコイイけど斧も良さそう。
そもそも武器ってどうやって選べばいいんだ?
「うん?これは・・・・・・」
+ + + + + + + + + +
「逃げずに来たな」
騎士たちが不適な笑みを見せる。
「ルールは簡単だ。代表同士が決闘をする、勝敗は降参または戦闘不能になる」
「簡単だろ」
騎士たちから提示された決闘は意外にも普通だった。
「そして、負けたほうは勝ったことの言うことを聞く」
前言撤回!最低だコイツ等!
「いいです」
「今のうちに言い訳を考えておくことで」
ユミナさんはなんでそう軽々承諾するのかな。
そしてアイラはなんでそんな挑発するのかな!
「それじゃささとやろうぜ」
とうとう決闘が始まる。
初めはアイラが決闘をおこなう。
「その顔に傷を作りたくないだろ、お譲ちゃん」
「まだ、お譲ちゃんっと呼ばれるのですか」
「はじめ!」
合図と同時に斧を振り上げ迫ってくる騎士。
アイラよりデカイ図体をしている。
「フレーム・ショット」
アイラは炎の玉を騎士の足元に当てる。
バランスとスピードを無くした騎士にアイラは、
「消えろ」
蹴りを顔面に食らわした。
騎士は白目を向け倒れた。
「こんなものですか」
アイラは冷たく言い放った。
開始5分もかかっていない。開始1、2分といったところか。
+ + + + + + + + + +
初戦はアイラの勝利。
次はユミナさんの番だ。
「がんばってくださいユミナさん」
「はい、いってきます」
ユミナさんは俺に顔を向け堂々と相手騎士と向き合う。
「わたしの時は何も言ってくれませんでしたね」
「気にしているのか?だって言わなくともアイラは勝つでしょ」
「当たり前です。魔王様の側近ですから」
ああ、お前は勝ってくれるとわかっていた。
お前が勝ってくれれば俺が楽になるからな。ユミナさんも勝つと俺は信じている。
「はじめ!」
決闘が始まる。ユミナさんと相手も剣の騎士か。
お互い剣でぶつかり合う。
「ぐっ」
「ぬっ」
お互い一歩も譲らない。
しかし、力技になるとやはりユウナさんに不利のようだ。
「やっぱり女は力がないな」
騎士が嫌味を言ってくる。
「そうですね。女は力がない、だけど!」
ユウナさんは剣を滑らせ、一歩後ろに下がる。
相手騎士は力と体重を剣に全てかけていたためバランス崩し前に倒れる。
「力で勝てなくとも、技で勝のです!」
ユウナさんは滑らせた剣をそのまま相手騎士の首に寸止め。
「女はずる賢い者なのことを覚えていてください」
決闘の勝敗はついた。
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