第4話 第一印象は五秒で決まる
「それでは始めたいと思います。番号を呼ばれた方は前に出て来てください」
アイラが連れてきた共に冒険に出る仲間たちの審査が今から始まる。
「一番の方どうぞ」
世話役の一人、メイドのヒューイが受験者を呼ぶ。
「はい。一番、スライムのユーイ」
「えーと、特技は?」
「特技は国民的に有名なことです」
「不合格!」
アイラの厳しい一言で終わる審査。
確かに国民的に有名と言われてもだから何?ってなるな。
とぼとぼ歩いて部屋を後にするスライムのユーイ。
この審査の条件は①人間になること②特技があること、このたった二つが審査を受ける条件。
「次の方」
「はい二番、ドラゴンのドライ」
自信満々な態度。
「特技は」
「火を吐くこと」
すると、口から炎を出した。
確かにすごい。炎使いか、冒険では何より役立そう。
「それで冒険して自分を先頭に、食事は肉、あと寝床はベットがいいです。それに――」
「不合格!」
アイラの声で部屋を後にするドライ。
あれと冒険とかめんどくさ!なんなのアイツちょっとウザイ。
「次の方」
「三番デュラハンのデューソン」
「特技は」
「馬に乗った戦いが得意です」
「いろいろいい感じだね」
「マイナス面は片手は頭を持ったままなので左からの攻撃されたら弱いです」
「不合格!」
部屋を後にするデューソン。
惜しい、あとちょっとだったよデューソン。
その後いくつものモノたちが受験しに来たがドイツもコイツもすごい一癖も二癖もあるモノたちだった。
「魔王様どうでしたか」
どうて言われても全員不合格。
アイラが全員に不合格を言い放ったのだ。
「こうなったらアイラと一緒に冒険行くか」
俺はアイラを見て思った。
アイラはバンパイアの種族で人間と似た姿をしている。一緒に冒険しても怪しまれない。
それに何かしろアイラがいてくれたほうが楽。
「魔王様、今なんと……」
「うん?いや、アイラと一緒に冒険行くしかないなって」
「魔王様がそう、望むのでしたら……わたくしは」
「それじゃ決定だな」
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