第3話 何も知らず話しは進む

 魔王始めての仕事、演説を終え部屋に戻ってくると秘書のアイラが次の仕事の話しを持ってきた。

 何をやるか、と聞かれて考えた。

 何もやりたくない、と考えた。

 せっかく魔王になったんだ、優雅に暮らした。

 だが、魔王ってなにをやるんだ?

 会社みたいに事務やら判子を押したりやるのか?


「できれば、楽に生きたいです」

「楽にですか……ですがそのうち勇者が現れてその楽もすぐ消えますけど?」

「なんで勇者くるかな、まだ魔王になってなにもやってないのに」

「そうなんですよね、魔王が生まれたら勇者も生まれる。その繰り返しですから」

「繰り返しか……」


 そんな繰り返しなら誰も魔王なんてやりたくないわな。

 うん?待てよ、繰り返しなら勇者が行うことは毎回同じ。それを止めれば!


「なら、勇者より早く冒険をしよう」

「!なにを言っているのですか魔王様は」

「毎回同じ繰り返しなら今度はこっちから勇者が使うであろう武器や秘宝をこちらが奪えば勇者より有利になれる!」

「なるほど、これまでは毎回勇者が来るのを待ち続けてまいしたから今度はこっちから出向くと」

「まあ、そう言うことだな」

「それは面白いですね。すぐにパーティーを集めましょう」


 アイラはそう言うと部屋を出ていった。


「あ、俺RPGやったことない」


 生まれてからって今は転生しているけれど、これまでやったことあるゲームはモンスターを捕まえては冒険するもの、配管おじさんが連れ去り姫を毎回助けに行くもの、動物たちの森で人間一人生活するものなど勇者ゲームをやったことがない。


 そもそもRPGってなんだ?

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