転生魔王は勇者様?

二又 正偽

第1話 もしかして死にました?

 目を開けるとそこは不思議な空間だった。

 目の前にあるのは椅子と机、周りを見渡しても他に物があるようには見えない。

 見えないではなく暗く見ることができない、が正しい。


「あなたは死にました」


 声がした方向を見ると、スポットライトが当たったように人物に光が当たる。

 その人物は人の形をした人ではない者だと思った。


「えーと、死んだとは?」

「死んだとは死んだです」


 言っている意味わかれと言うぐらい冷たい目で言う。

 そんなこと言われてもいきなり死んだと言われてもわかるもんか。


「あなたを転生させます」

「て、転生!?それはつまり生まれ変わり」

「さて、あなたが今転生できるのは犬」


「犬!なんで犬なの!他のはないの」


「他には馬、カエル、羊にウサギどれにしますか?」

「なんで動物!人間は!」

「人間がいいですか?」

「人間がいい。生まれ変われるなら人間がいい!」

「人間ですか……」


 ため息をついたよこの人。俺は人間になれないのか。


「一つだけ人間がありました」

「本当!ではそれで」

「本当にいいですか?」


 また目で語ってきた。

 もちろんOK!


「だって人間に生まれ変われるならなんでもいいよ!」

「そうですか、私は聞きましたからね。それでは魔王に生まれ変わってもらいます」

「これで動物から人間に……あれ?」


 今この人なんて言った?

 人ではない名前を言ったよね。


「それでは転送します」


 なんか俺のまわりが光だしたんですけど!なんか魔法陣みたい!


「ちょ、ちょっと今魔王って言った!」

「はい、魔王って言いました」

「俺人間になれるじゃないの!」

「魔王もどうせ人間の生まれ変わりですから問題ありません」

「いやそういう話し!魔王だよ、魔王!」

「魔王は何度も倒されるのに誰もやりたがらないので仕方なく」

「仕方なく俺魔王になるの!できれば勇者が良かった!」

「勇者は3年予約されてます」

「勇者まさかの予約制!」

「それではどうか世界を支配して人間どもを恐怖のどん底へ追いやってください」

「何言っているのこの人!」

「あ、私は女神アリアです。なにかありましたら連絡してください、ここに連絡先書いておきますので」

「ヤッホー女神の連絡先手に入れた」

「そんなに嬉し泣きをしてくれるとは」

「どこが嬉し泣きだ!悲し泣きだ!うわあー」


 体が浮き光に包まれる。


「それでは良い魔王になってください」


 女神アリアに見送られ俺は魔王として転生した。


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