第10話 操縦、そして森で
魔法の次は馬車の操りかたをアイラから学ぶ。
「そうです。操りかたも上手いです」
「そ、そっか」
褒められると照れる。
「それにしても魔王様の魔法量は凄かったです」
「そ、そうか」
「そうです。魔王様は全属性の魔法が使えますから」
『火』の魔法が使えることがわかりその後『地』『水』『風』の4つの魔法が使えることがわかった。
この世界で4つの全属性の魔法が使えることは珍しい。あのフィータでも3つがやっとらしい。
そしてこの世界には4つの属性魔法意外に『個人魔法』と『光属性魔法』、『闇属性魔法』といわれるものがある。
「それで個人魔法はどうしたらわかるんだ」
「個人魔法は気が付いたら使えるので今は無理でしょう」
「そっか、それじゃ次の町で誰か魔法使える人を探さないとな」
アイラが見せてくれた地図ではこの森を抜けた先に町があるらしい。
ふっと気になったことがある。
「アイラ、今さらだけど俺の姿って人間に見える?変に思わない?」
「大丈夫です、魔王様は人間の姿に見えます。だって魔王様の姿は人間ですから」
今さらだが、本当に今さらだが俺は魔王なのに人間の姿なのか。
魑魅魍魎の魔界の住人だから俺もそうなのかって気になったけど問題ないか。
「――!」
森のどこからか悲鳴が聞こえた。
「今の声が聞こえたか」
「ええ、向こう側です」
アイラが指さした方に馬車を走らせる。
馬が木と木の間を走り抜ける、すると豪華な馬車を取り囲む数名の男たちがいた。
豪華な馬車を数名の騎士が男たちから守っているようだった。
「あれはどっちがどっちかわかるな」
「そうですね、あれは」
「それじゃ馬車の操縦を変わってくれ」
アイラに操縦を変わってもらい俺は馬車を囲む数名の男に右手を向ける。
思い出す。アイラがあのオオトカゲに放った技を思い浮かべて右手に魔法を集中する。
「フレーム・ショット」
手のひらから火の玉を飛ばす。
「うわー」
男たちの足元に火の玉を落とすと騒ぎだした。
人を丸焦げにするわけにはいかないから足元に落とす。
「おお、これが魔法」
「さっそくの本番でしたがうまくいきましたね」
俺の手の平から魔法が発動して驚く。
魔法が出るとわかっていても驚いたな。火を放っても俺の手は熱くなかった。
「魔王様、奴らがこちらに刃物を向けてきましたよ」
「それはそうだろうな」
こっちに注意を向けることが目的だからな。
それにしても男たちは6人か。
「あのさアイラ、他の魔法で奴らの動きを止める方法ある」
「そうですね、動きを止める魔法は『フレーム・ロック』があります」
「『フレーム・ロック』ね」
どんな技なんだろう。とにかくやってみるか。
さっきと同じく手の平を向ける。
「フレーム・ロック!」
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