第2章 冒険する前にはセーブを忘れるな
第8話 逃げて逃げて
冒険に出て五分もしないでモンスターと遭遇。
「逃げて!逃げて!逃げてー!」
「今全力で逃げています」
アイラは馬に鞭を打ち馬車を全速で走らせる。
それでも後ろをついてくるモンスター。
「なんなのあれ!足六本とかキモイ!なによりアイツの存在がキモイ!」
「あのモンスターはオオトカゲ。結界に守られた城の外に巣を作っているモンスターです。城に近づいた敵見方関係なく襲ってきます」
六本足とか二本多いから!それよりなにあの大きさ!ビル三階ほどの大きさないはないか?
でかいといろいろキモイ!足が多いのがキモイ!
「って説明はいいからどうにかして!」
「わかりました。では運転を変わってください」
「え、ちょっと」
アイラから綱を渡される。
「え、ちょっと、操作の仕方わからないんでけど!」
「大丈夫です。このまままっすぐ走らせれば。とにかく綱だけは離さないでください」
綱だけ持っていればいいのね。なら俺でも大丈夫だ。
「フレーム・ショット」
アイラが手の平をオオトカゲに向け、呪文らしきものを言う。
すると、手の平から出た炎の玉がオオトカゲに命中する。
「さあ、今のうちに」
アイラと運転を変わりその場から離れる。
振り向けばオオトカゲがいなかった。
+ + + + + + + + +
岩が広がるエリアーから森林が多い茂るエリアーへと風景は変わり、太陽も沈み今日は森林の少し開けた場所で野宿することになった。
燃える小枝を中心に二人で休まる。森には魔物といわれる動物たちがいるが基本魔物は火に弱いらしい。
「どうぞ、魔王様」
「ありがとう」
アイラから食事を受け取り一口食べる。
「美味しい」
「そうですか、よかったです」
アイラの作った手料理を食べながら今日あったことを振り返る。
「そうだ、アイラが使ったあの技はなに?」
「あの技、とは」
「オオトカゲに向かって放った炎の玉」
「ああ、フレーム・ショットのことですね」
『フレーム・ショット』て言うのか。
「あれは、魔法?」
「そうですね。フィータが使うような高度魔法ではないですが」
「他にも魔法は使えるの」
「いくつかの魔法なら使えます」
フィータも魔法使っていたな、魔法が存在することを忘れていた。
「それは俺でも使えるかな」
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