第17話 王国へ招待(丘を超えろ)

 国王様に無理に頼み込みゴブリンの軍隊を止めるコクエイ国の軍と共に隣国へ。


「私はマオウさんたちの護衛とサポートを申しつかれました」

「ユミナさんが一緒なら安心だ」


 ユミナさんは騎士団長だから安心だ。

 今俺たちはコクエイ国が貸してくれた馬車で、ユミナさんは自分の馬で隣国ドルーク公国へ。


「そう言えば姫様は?」

「ああ、姫様は着替えを済ませ国王陛下たちと会話を楽しんでいるかと」

「そっか。それは良かった」


 盗賊に襲われて怖い思いしたから今は楽しい時間を過ごして欲しいからな。


「それにしてもなんで姫様があんな格好で森の中で」

「出かける時は姫様はいつもあのような姿で、姫様は『外に出掛けるなら姫とはでなく、国の一員として町を見てみたい』と言い」

「なるほど、国の一員としてか」


 姫様いい事を言う、俺も国を背負う一人だもんな。


「そう言えば今から行く隣国って?」

「隣国のドルーク公国は自然に囲まれた国でコクエイ国とは兄弟国となっています」

「兄弟国となっているのか」

「ドルーク公国は魔獣や魔物が多く隣国として時々コクエイ国に危害が加わる前に支援しています」

「その逆もありなのか」


 隣国同士助け助けられはあるだろう。


「それにしてもゴブリンはよく現れることが」

「ゴブリンは数年に一度現れ、大群で襲ってくると言われています。自分もゴブリンの大群を見たことがないです」

「なるほど、そのためゴブリンを見張っていて、何かしら動きがあり今にいたると」


 ゴブリンの行動をずっと監視していた。

 それじゃドルーク公国は何年も前からゴブリンの行動を探っていたのか。

 ゴブリンといえばゲームで良く出てくるキャラだよな。


「あの丘を越えたらドルーク公国です」


 ユミナさんが指差した先に丘を超え見えてきた大きな国。

 あれが、緑と水と自由のドルーク公国。

 石の壁でできた城壁がぐっると取り囲んでいた。



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