第14話 王国へ招待(道中)

「ミス・フィータ!」


 俺は驚きの声を出してしまった。

 ミス・フィータの顔が通信機の画面に表示されたのがまるで元の世界の会話のようだったからだ。


『やあ、魔王様。無事にこの会話が出来ているということはまだ生存しているということだな』

「なに恐ろしいことを言っているこのロリ魔女」

『いやいや、このように魔界と外と連絡を取るのは始めてのことで舞い上がってしまったわい』

「そうなんですか」

『それでどうじゃ、外の旅は?』

「城を出てすぐモンスターに襲われまいした」

『ああ、あのオオトカゲじゃな。アイツはいい材料になるんじゃ』

「それなら俺が帰るまで退治していてください!」


 旅が終わって帰ってくるなり最後にオオトカゲに襲われるとかどんなラストだよ。


『それで今はどこにいるんじゃ』

「今は姫様を助けて王国に向かっています。確かコウエイ王国へ」

『そっか、コウエイ王国か。あそこはいい町だから楽しむといい』

「ミス・フィータは行ったことあるの」

『なに、少し若い頃にな』


 若い頃って、今の姿より若い頃ってことか? 今の姿から年齢を当てることは無理だな。


『そう言えば魔王様はこの世界の魔法について説明してなかったが大丈夫か?』

「ああ、魔法については基礎をアイラから聞いたので」

『そっか、魔王様の個人魔法について検査するのを忘れていた』

「え、今何って・・・・・・」

『いや、だから魔王様の個人魔法を検査するのを忘れた、と』

「え、いやいや、個人魔法調べれるの!」

『ああ、ワタシの魔法道具でな』

「それなら調べてほしかった」


 俺の個人魔法がすごく気になっていたのに!

 まだ俺の個人魔法が解明できないのか!


『まあ、個人魔法はふっとした時にわかるから気を長く待ちたまえ』

「けっきょくそうなるのね」


 いいさ、もう待つさ。


『さて、長話もなんだから本題を言おう』

「これまでの話しはなんだったんだ」

『最近魔王軍と名乗り何かしら問題を起こしている輩がいるという』

「それはすごく大事な話しですね。その輩とは?」


 もちろん俺ではない。

 今魔界では戦闘を行うことを禁止している。俺が戻ってくるまで安静に暮らすように伝えてある。


『どうやら、人間のようだ』

「人間?」



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