概要
少子化を巡る静かな戦争が始まった。
少子化が止まらない日本では、業を煮やした政府が二千二十年に強硬策として子供の少ない地域の予算を大幅に縮小する事を発表した。それから十年が経ち、今ではどの都道府県も子供の数を増やす事にばかり躍起になっていた。A県も例外ではなく、市役所に「地域活性推進課」が新設され、多くの職員を配置し一人でも多く子供を増やすため全員が昼夜を問わずに働いている。男性職員の矢口と後輩の杉本は過剰なまでの都道府県の「少子化対策」に巻き込まれていく__。
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- ★★★ Excellent!!!少子化の果てに起こる倫理無き施策
子供の数を増やす為に躍起になる日本。
あらゆる対策が打ち出される中、A県の地域活性推進課に属する矢口と杉本。そして「ランク」を付けられた子供たちを覆う不安と施策の弊害を描く社会派ドラマ。
突然退職した上司の秘密やブラック味溢れるラストなど、フィクションとして楽しめる要素を盛り込みつつも、近い将来、これはノンフィクション作品と呼べるのではないかと思ってしまう強いリアリティが魅力。
矢口に迫る決断、その過程と、「Aランク」を持つ中学生・美優を取り巻く大人たちの思惑など、濃密な起承転結に夢中になる。
最終話に到達した時、タイトルを見て納得する。これは間違いなく「戦争」であると。
圧倒的に濃いテ…続きを読む