少子化の果てに起こる倫理無き施策

子供の数を増やす為に躍起になる日本。
あらゆる対策が打ち出される中、A県の地域活性推進課に属する矢口と杉本。そして「ランク」を付けられた子供たちを覆う不安と施策の弊害を描く社会派ドラマ。

突然退職した上司の秘密やブラック味溢れるラストなど、フィクションとして楽しめる要素を盛り込みつつも、近い将来、これはノンフィクション作品と呼べるのではないかと思ってしまう強いリアリティが魅力。
矢口に迫る決断、その過程と、「Aランク」を持つ中学生・美優を取り巻く大人たちの思惑など、濃密な起承転結に夢中になる。
最終話に到達した時、タイトルを見て納得する。これは間違いなく「戦争」であると。

圧倒的に濃いテーマを含む作品ですが、1話毎の文量が少なく、最後まで一気に読めます。読む人によって感想も変わってくる内容と思われるので、私は他の読者の方の感想に興味があります。よければ聞かせてください。