桃太郎、浦島太郎、かさじそう。日本人ならば誰もが触れたことのある昔話です。
この作品は、そんなお伽話の世界を舞台にした、一風変わったミステリなのです。
探偵役は半妖の知的イケメン『青鬼』、助手は同じく半妖の美少女『鴎』。
馴染み深い登場人物たちが関わる数々の難事件を、丁寧な捜査と理詰めの推理で解決していく様が、実に痛快です。
捜査を進める中で明らかになっていく昔話同士の意外な繋がりに驚くとともに、徐々に導き出される真実のカラクリにはぞっとせずにはいられませんでした。
まさかあの人が?!
えっ、そこ繋がってたの?!
この作品は、そんな驚きと楽しさに満ちています。
青鬼の淡々とした語りで触れられる“人情”も、決して押し付けがましくなく、じわりと沁みました。
続編があるなら、拝読したいです。
とても面白かったです!
むかーしむかし、あるところに容疑者がおったそうな。
誰もが知っている昔話に出てくる有名人を相手に、御伽の国の防人「青鬼」の推理が冴え渡る!
元の雰囲気が一切損なわれないように工夫された昔話を舞台に、心躍るオリジナリティが魅力的な作品。
様々な事件を解決する「防人」の「青鬼」さん。
「鬼族の半妖」という結構おっかないスペックを持ちながら、明らかに怪しい容疑者たちを力押しで追い詰めるのではなく、頭の回転と洞察力を駆使して、外堀りからじっくり理詰めて行く姿がカッコイイ。
相棒である「鴎」も、事件解決に向けて青鬼さんをしっかりサポートする魅力たっぷりなキャラクター。クールで超優秀。妖艶でミステリアスな雰囲気を醸しながらも、一途に頑張る健気な姿がカワイイ。
「知っている話」という先入観を使ったトリックや、映像ではなく文字だからこそ「あっ!」となり涙を誘う、小説ならではのテクニックなど、それぞれのエピソードも面白さたっぷりです。