第23話 僕の連休
あるお休みの話だ。
春の日差しがぽかぽかの午後、リビングで仰向けになる二人と二匹。
(僕と父親と猫二匹である)
洗濯物が、はたはたと風にゆれる。なんて気持ちのいい午後だろう。
そして、なんて優雅なひとときだろうか。
がっしゃーん!
その大きな音に僕らはビックリして飛び起きた。
キッチンに目を向けるとお兄ちゃんがレンジで温めるつもりだったピラフの皿を落っことしたらしい。おっかなびっくりな顔でお兄ちゃんがこちらを見て半笑いで頭を掻いていた。
しばらくすると何もなかったようにまた横になる。猫たちも父親もだ。
仰向けになると窓の外に鳥が飛ぶ。雲がゆっくりと流れていく。爽やかな風。
なんて素晴らしい休みだろうか、ビバ☆休日。ナイス☆連休。である。
ドカーン!
床に、ものすごい音がして僕は慌てて飛び起きた。
すぐに音のした方向を見るとお姉ちゃんが部活の大きなカバンを床に投げ、ダイニングテーブルにもたれ掛かるような体制で僕を見て笑っていた。
お姉ちゃんはしばらくすると飽きたのか自室に消えていった。
もうなんなの? せっかくの休みを台無しにしないで! 失礼しちゃうわ!
そう思いながらも僕はソファーに体を投げ出した。猫たちもさすがに嫌だったのだろう僕の脇に一匹、頭の横に一匹と喉を鳴らし擦り寄ってきた。もう〜仕方ないな〜と思いつつも、猫たちの温もりと心地よい喉ゴロゴロハーモニーに僕はうとうとした。
ただいま〜!
玄関で大きな元気な声が聞こえ、猫たちと父親が我先へと玄関にお出迎えに行く。
あーなんて素敵で、素晴らしい休みだろうか……
ねえ……
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