第4話 独特な雰囲気の妖怪

「なーんでそうなんのよ〜」

「今日はゴミの日だ〜捨ててけ〜捨ててけぇぇえ〜」

「あたしは部活で早く行かなきゃなのよ!」

「つべこべ言うな〜ついでだろうが〜」



 朝は騒がしい。とても騒がしい。


 母親とお姉ちゃんの朝の恒例行事。母親は掃除も洗濯も好きだが、ゴミ出しだけは嫌がる。マンションの奥様方の井戸端会議に参加したくないからだそうだ。まあ〜あの性格だ、そうだと思う。


 お姉ちゃんはとても嫌そうな顔をしながらわざとゴミを持って行かずに玄関を出た。


 やられたああああ! そう思った時には手遅れだった。母親はマグカップに入った珈琲を片手にニヤリと笑い僕を見ている。


ああああああ〜僕か? 次は僕か! そうなるよな〜そりゃそうなるよな〜!


「たっくうううん〜! ゴミ〜ゴミ捨ててけぇぇえ〜!」



 僕はコレを「ゴミ出し妖怪」と呼ぶ事にしている。


まあ、いいんだけどさ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る