第10話 配置戦隊 下手くそなんジャー
父親は何かにつけて配置が下手くそだ。
冷蔵庫の物入れ。
タンスの畳物入れ。
極めつけはお弁当の具材の配置。
どれをとってもまとまりがなく、父親は腕を固く組み、頭を悩ませていた。
え? そんな気にする?
本人曰く、「ごちゃごちゃ感ハンパない……幾らやってもムリ……進化しない。退化する一方だよ……も、やだぁ〜」なんだそうだ。
冷蔵庫なんて気にしなくても良くない?
すぐに使っちゃうし。
タンスなんて入ればいいじゃない。
次の日に着ちゃえばいいんだよ。
お弁当は綺麗じゃなきゃダメ?
どうせあっという間に食べちゃうでしょ。
まあ、これは僕の言い分。
お姉ちゃんは「うわ……ありえない! って、どうでもいいけどね」と、バッサリと切って終わった。
お兄ちゃんは「俺の部屋よりはマシでしょ?」等とゲームをやりながら、こちらを一瞬見てニヤッと笑った。
問題は母親のひとことだ。
「もう治らないでしょ! こういうのは幼少期からのものだからオッサンになってからじゃね〜、でもね〜それも個性なんだよ! これがなくなっちゃったら面白みに欠けるでしょ! パパちゃんがパパちゃんじゃなくなるのはアタシは嫌だよ?」
はいはい。仲良いのね。ごちそうさま。
ああ〜言い忘れてた!
僕はお片しはとっても苦手だよ。お道具箱の中はいつも嵐の去った後みたいだから。
個性なんだよね。個性。ねえ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます