第11話 ジャンキークエスト
ピザ。ハンバーガー。フライドチキン。
その他もろもろ。
もう美味しいでしょ?
ポテトなんてやめらんない、とまんないでしょ。みんなだって好きでしょ?
そういうのをジャンクフードって言うよね。どうして? 体に良くない? ふーん、そうなんだ……美味しいのに。
母親はジャンクフードをあまり食べさせてくれない。理由は太るからだそうだ。まあ、そうなんだろうけど……それ食べたら、次はちょっと我慢して運動すりゃ良くない?
その言葉で、お姉ちゃんと母親を僕は敵に回す事になる。
お兄ちゃんと僕は「気にしないでいい」って言ったんだけど、さらに火に油を注ぐことになった。さらにピンチを招く。なぜだ?
僕とお兄ちゃんは、ハンバーガーもピザもチキンも大好きだ。父親もそこには深く頷いてくれた。
平日の昼間はもちろん無理だ。それに付け加え、おこずかいも少ない。ハンバーガーやポテトはなんとかすれば食えないことはない。
問題はピザとチキンだ。子供のおこずかいでは無理がある。どうしたものか……
前にも話したとおり、うちは土曜日と日曜日は母親が動かない。出来ることなら一日だらだらと映画を観ながら過ごしたいと言う。
そして母親はソファーという名のアイランド(僕は最近は孤島と呼ぶ)に滞在する。
父親とお兄ちゃんはケイタリングを頼もうか悩むが、母親のひとことが飛んでくる。
「ケイタリング頼むならお寿司が良い!」
……寿司
よりにも寄って、寿司。
それだってカロリー高ぇじゃねえか……
こうなりゃ男の意地がふつふつと湧き出てくるのだよ……母上!
お兄ちゃんと僕は某ファストフード店に出かけようと準備をする。それに気がついた父親が満面の笑みで僕らに近づく。お姉ちゃんは呆れた顔でリビングのスツールに深く腰掛け頬杖をついた。
母親のアンテナが伸び「出掛けんの? 食べたいなら作りゃいいのに……」とアップルパイをナイフとフォークを使って丁寧に切り分けている。
さて、困ったぞ。
後半へ続く。
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