第7話 にゃんこ喧嘩パレード

 三兄妹。年齢離れど喧嘩はよくする。しかも、かなりくだらない事ばかりだ。


 ある時はおやつの時間。またある時はテレビのチャンネル争い。はたまた、助手席は誰が座るかだ。本当にくだらない事ばかりだ。


 まあ大抵は、母親がひと喝入れて終止符を打つのだが、それでも険悪になることもしばしば。


 だが喧嘩は人間だけではない。


 うちには猫が二匹いる。

 処分されそうになっていた親のいない子猫二匹を父親と母親が待ったを出したのである。今はうちのかわいい家族の一員だ。まあ、その詳しい話はまたの機会にしよう。


 その猫二匹の喧嘩が問題なのだ。


 ソファーに座る母親の膝の上の争奪戦から始まり、出窓のひなたぼっこの場所取り。いちばん厄介なのは夜の寝床合戦だ。大きなお兄ちゃん猫と小さな妹猫(大きさだけで僕の勝手な判断です。違うかもしれない)はキッチリとこの人の寝室はワタシのテリトリーと決まりがあるらしく、厄介極まりない。


 それは夏でも冬でも関係なく毎夜繰り広げられる。


 正直にいうと、僕は巻き込まれゾンビ化している。(追突事故で、すっ転んで泣いたこともある)拘りたくない。まさに触らぬ神に祟りなしなのだ。噛まれたり引っかかれたりも、稀にだがある。それを合図のように運動会が始まり、母親と父親が一匹ずつ抱っこして宥める。夜中に響く唸り声は抱きかかえられて、あっという間に甘い声に変わる。


「コイツら……」となるのもうちの家族なんだろうね。でもね、ほどほどにお願いします。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る