第8話 病気&怪我の悪夢レジェンド僕

 僕んちは基本みんな身体が強いと思う。


 病院は1年にひとりが一度行くか行かないかくらいに病院にお世話にならない。


 そう、僕以外は。


 僕はすぐにあちこちから病気をもらう。風邪で鼻水を垂らし、小児科へ行ってインフルエンザウイルスを二種もらって帰って、その日の夜に高熱を出し、救急病院に連れて行かれそのまま入院したことがある。


 ウイルスを撒き散らすという事で個室に入院し、その時、小さすぎた僕に母親が泊まりがけのつきっきりでとても迷惑をかけた。流石に父親だけでは家のことは出来ないと母親側のお婆ちゃんが家に来ていたそうだ。


 A型、B型を一気に入れた僕の身体はへろへろになり、点滴を入れてもらうことになる。あと足の親指に生命装置(?)みたいな物が付けられた。喉と胸がごろごろと変な音がなるからと毎朝晩に聴診器で胸の音も聞いてもらった。


 正直に言う……あれは辛かった。

 これは本当に辛かった。インフルエンザウイルスだけは二度とゴメンだ。(それからはインフルエンザウイルスには入られてない)


 うちの家のルールは外から帰ったら「手洗い・うがい」は必ずだ。これはね、守らなきゃダメ。みんなも帰ったらやってね! 僕との約束だよ!


 


 ちょっと小さかった時に、お兄ちゃんとお風呂で、桶でぽこぽこ合戦(叩きあいチャンバラのようなもの)をしていた。

僕は桶で防御すればいいのに、何故か手で防御してしまった。「いたたた……」とか言いながらお風呂から上がって身体が温かいうちに就寝。

 

が、夜中に痛みで起きることになった。

痛みが走る手を見ると人差し指が有り得ない色に変色していた。これはマズいと母親と父親の寝る寝室に行くと、父親が先に起き僕の指を見て発狂する。その声で母親がムクリと起き上がり、何も言わずに氷嚢に氷を入れ寝室に戻ってきた。


 ひとまずはそのまま寝ることにして、早朝に病院でレントゲンを撮った。レントゲン写真には、白く細い指が綺麗に真っ二つに割れた人差し指が写っていた。


「折れてるね〜でもね〜これは綺麗に割れてるからすぐ治るよ〜お大事にね〜」

 で、呆気なく診察は終わる。細長い小さなアルミのような添え木に指を巻き、白いガーゼ素材のカバーを付けただけだった。


 もっと大袈裟にして欲しかった。

 なんか中途半端で格好悪い。


 それを僕は母親に伝えると、母親はフッと力抜き笑う。大きな目を細めて何も言わずに頭を撫でて「なんかお腹減った〜食べてから帰ろ!」って背中を優しく押された。


ん〜レジェンド!(ごめんなさい)



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