概要
冬の空を生きた、一筋の流星。
「皇国」の人工兵士「メトセラ」は、航空兵器「翔機」に乗り込み、「奏者」の操作する自動演奏機械「オートコフィン」による人工の音楽とシンクロして力を得ることで、相手国「蛮国」の「翼竜」たちと戦争を行っていた。
奏者の女子学生「小夜子」は、特殊な「メトセラ」である「レイ」とともに暮らしていたが、かつて、旧世紀の「人間がつくった音楽」を愛した身ながら戦争に音楽を利用している自身に疑問を持っており、自身の存在理由に疑問を持つレイと傷を分かち合っていた――。
奏者の女子学生「小夜子」は、特殊な「メトセラ」である「レイ」とともに暮らしていたが、かつて、旧世紀の「人間がつくった音楽」を愛した身ながら戦争に音楽を利用している自身に疑問を持っており、自身の存在理由に疑問を持つレイと傷を分かち合っていた――。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!兵器である青年と音楽を捨てた少女の、物語
独特の世界観をいつの間にか、納得して読んでいる自分がいました。
もう、タイトルが好き。
面白うございました。
ありがとうございました。
前編のヒリヒリさにほほぅ、と背すじが震えてから、想像だけで後半の展開に耐えられるのか自分、と数ヶ月の間を置いての読了です。
後編は前編に比べ、長く感じたのは場面が固定でシーン数的には少ないせいかもしれません。
文圧に想像力をはたかれる勢いでした。
厳しい現実の軋轢に消化されていく、個人の姿は他人事ではなく映ります。
身に降りかかる苦難のなかで、根性を見せてくれた主人公たちの、戦いに、こんなこと本当にあったら、怖い、と思っていた物語に、胸のすく気…続きを読む - ★★★ Excellent!!!脳内映写機が軽やかに回りだす
この感動はなんだろうと読後に問い、答えはすぐに見つかった。
一篇の映画を見終わった感覚そのものだ。スクリーンを食い入るように見つめ、周囲が明るくなって名残惜しさを抱えて立ち上がる、あの感慨だ。
全ての場面が映像として頭の中にはっきりと浮かぶ。特に終盤は少女と彼、それぞれのカット割があまりに鮮明に思い描ける。空の闘いの無音と少女の奏でる旋律まで耳に聴こえてくるようだ。
心象の描写も素晴らしく、指や手足の動きに顕著だ。ラストの指先から推し量れることは少なくない。
まだ語りたいが、あいにく余白がない。ただ、今作を読んで貴方の頭の中の映写機を回してくれと願うばかりだ。