銀細工とセレナーデ

作者 緑茶

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★★★ Excellent!!!

この小説は描写が巧みで登場人物の想い、葛藤全てをのせて痛烈に描き切ったという印象が大きかったですね。表現の仕方には幅が効いていながらもダイレクトに思いが伝わってくる。その自然さというのはそう簡単にできるものではないと思いますし、読者の気持ちをよく汲み取ってなおかつ自分の思いを伝えたいという気持ちがひしひしと感じられました!
構成もきめ細やかで艶やかでした。さらさらと進んで行く物語で読者をうまく惹きつけ、そして離さないし、置いてけぼりにはさせない。その点においても文章力がかなり秀でた作品だったのではないかなと個人的に思いました!

★★★ Excellent!!!

この感動はなんだろうと読後に問い、答えはすぐに見つかった。
一篇の映画を見終わった感覚そのものだ。スクリーンを食い入るように見つめ、周囲が明るくなって名残惜しさを抱えて立ち上がる、あの感慨だ。
全ての場面が映像として頭の中にはっきりと浮かぶ。特に終盤は少女と彼、それぞれのカット割があまりに鮮明に思い描ける。空の闘いの無音と少女の奏でる旋律まで耳に聴こえてくるようだ。
心象の描写も素晴らしく、指や手足の動きに顕著だ。ラストの指先から推し量れることは少なくない。
まだ語りたいが、あいにく余白がない。ただ、今作を読んで貴方の頭の中の映写機を回してくれと願うばかりだ。